2017年5月、中国人著者と研究機関が関与した107本の論文の撤回をシュプリンガーが発表し、中国学術界に衝撃を与えました。この問題を受け、中国政府は、研究不正を抑え込むための厳格な方策を打ち出し、その第一歩として、研究不正を一切容認しない方針を掲げました。
2017年5月、中国人著者と研究機関が関与した107本の論文の撤回をシュプリンガーが発表し、中国学術界に衝撃を与えました。その翌月にも、シュプリンガーの別のジャーナルであるCell Biochemistry and Biophysics誌が、中国人著者による論文数本を撤回しています。撤回された論文著者の多くは、中国の著名な病院や医科大学に所属する研究者だったようです。この問題を受け、中国政府は、研究不正を抑え込むための厳格な方策を打ち出し、その第一歩として、研究不正を一切容認しない方針を掲げました。中国科学技術協会(CAST)の副議長であるシャン・ヨン(Shang Yong)氏は5月25日に開かれた記者会見で、「中国は、蔓延する学術不正に決然と立ち向かい、真剣に対処していく」と語りました。また、「起きてしまった不正を教訓として、科学者、科学機関、科学研究への従来の画一的な評価システムを見直していく」と述べています。同氏によると、CASTは今後、政府の科学技術部や教育部と連携して科学不正を阻止する方針であるようです。今回の方針の公表が、研究不正対策の大幅な転換の第一歩となるかもしれません。
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