犬は、人間にいつでも無償の愛を与えてくれる存在ですが、両者の相性がこれほど良いのはなぜでしょうか。このほど新たな研究で、犬が人間との接触を望む、とても優しい性格の持ち主である理由がついに明かされました。
犬は、人間にいつでも無償の愛を与えてくれる存在ですが、両者の相性がこれほど良いのはなぜでしょうか。このほど新たな研究で、犬が人間との接触を望む、とても優しい性格の持ち主である理由がついに明かされました。犬には、人間の相棒としての素質が遺伝子レベルで備わっているようです。
Scientific Advances誌で発表されたオレゴン州立大学の研究者らによる新たな研究では、犬の愛らしさに関する科学的な説明が試みられました。数万年前に狼から進化する過程で起きた遺伝子の変異が、犬たちの人懐こさを決定付けるカギを握っているようです。
この遺伝子の変異は、ある発達障害と深い関わりがあります。研究者らは、犬が、ウィリアムズ症候群の人々が持つ遺伝子の変異と類似したものを持っていることを発見しました。ウィリアムズ症候群は1万人に1人の割合で発症し、社会的抑制の欠落や、外向的性格、知的障害などの症状を伴います。
研究では、飼い犬18頭と捕獲した野生の狼10頭を対象に、社会的刺激への注意バイアス、超社会性、他者への社会的関心という3つの基本的特性の調査が行われました。ある課題が与えられたとき、犬には人間に気を取られる傾向がありました。これは、社会的刺激への注意バイアスの高さを示すものです。また、犬は狼よりも人間に接近する傾向が強く、超社会性の高さも示唆されました。一方、他者への社会的関心という面では、犬と狼の間に有意な差は見られませんでした。
この研究結果は、人間に対する犬の愛想の良さや、熱心さ、従順な性格の理由を理解するための一助となるでしょう。研究者らは、将来的には猫などのペットにも同様の遺伝子が備わっているかどうかの調査を進めていく予定です。