米国政府は今年5月、大気中、体内、その他の生態系に存在する微生物叢（マイクロバイオーム）の実態を調査するため、国家マイクロバイオームイニシアチブに着手することを発表しました。本プロジェクトには、農務省、国立衛生研究所(NIH)など複数の政府機関が関与しており、注目を集めています。
米国政府は今年5月13日、大気中、体内、その他の生態系に存在する微生物叢（マイクロバイオーム）の実態を調査するため、国家マイクロバイオームイニシアチブに着手することを発表しました。
マイクロバイオーム（微生物叢）についてはよく分かっていない部分が多いのが実情です。世界中の研究者たちが、食物生産、健康、環境の変化に影響を及ぼすというマイクロバイオームについて理解を深めようとしています。こうした中、米国政府は「あらゆるセクターにおけるマイクロバイオーム研究への取り組みを促す国家的要請」を発表しました。これを受け、ビル＆メリンダ・ゲイツ財団をはじめとする民間投資家は4億ドルにのぼる投資を表明。そのうち1億ドルは、今後4年間に計画されている発展途上国での栄養および害虫駆除プログラム計画と、がん治療学や海洋微生物学における微生物の役割について理解を深めようとしている複数の研究所での研究に使われる予定です。本プロジェクトには、農務省、国立衛生研究所(NIH)、国立科学財団(NSF)、航空宇宙局(NASA)など複数の政府機関が関与しており、注目を集めています。
しかし、米国政府は、このプロジェクトに対する議会の承認を得る上で困難に直面する可能性があります。マイクロバイオームにさらに資金をつぎ込むことには、反対意見も予想されるためです。米国微生物学会（ワシントン）の会長を務めるステファノ・ベルトゥッツィ (Stefano Bertuzzi) 氏は、「議論は紛糾するだろう」と述べています。
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