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科研費に頼らない研究費獲得ルートを把握する

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科研費に頼らない研究費獲得ルートを把握する

研究者にとって最大の目標は論文を書くことですが、そのためには研究費が欠かせない、という分野がほとんどです。しかし、研究費の獲得は容易ではなく、特に日本学術振興会の科学研究費補助金(科研費)は最たる例です。しかし、研究費を助成するのは国だけではありません。日本には多くの研究助成金プログラムがあります。

研究者にとって最大の目標は論文を書くことですが、そのためには研究費が欠かせない、という分野がほとんどです。しかし、研究費の獲得は容易ではなく、特に日本学術振興会の科学研究費補助金(科研費)は最たる例です。しかし、研究費を助成するのは国だけではありません。日本には多くの研究助成金プログラムがあります。


国の競争的資金はハードルが高い


科研費は、競争的資金として有名なもののひとつです。科研費を含めた国の競争的資金は金額が高く、獲得できれば高額な装置を購入できたり、大規模な実験(試験)を実施できたりするでしょう。


ところが、科研費の新規採択率は30パーセント以下というのが現実です(独立行政法人日本学術振興会 科学研究費委員会 『平成28年度科研費等の審査に係る総括について』より)。また、実績(論文)が少ないときには空欄が多くなりがちで、採択されにくいのではないかという心理的なハードルもあります。ただ後者については、平成27年度の公募から「業績は過去5年以内」という制限が撤廃されたため、ハードルはやや下がったといえるかもしれません。


助成金情報をまとめたポータルサイトやクラウドファンディングを使う


国以外にも研究助成金を出すところはあります。有名なものに、武田科学振興財団や稲盛財団といった財団があります。他にも大小さまざまな規模の助成金が、地方自治体や民間助成団体から出されています。例えば、内視鏡医が海外の学会発表を助成する内視鏡医学研究医海外派遣助成、水素エネルギーやALS研究などを助成する三井住友信託銀行公益信託の基金、ドイツ企業が共催するドイツ・イノベーション・アワード「ゴットフリード・ワグネル賞」があります。多くは45歳あたりを上限とした年齢制限があり、比較的若手を対象としているのが特徴です。


これら科研費に頼らない研究費獲得ルートを把握しておくことは欠かせません。しかし、助成金の情報を集めるのは手間がかかります。そこで、助成金情報をまとめたポータルサイトを利用するのも一つの手です。ポータルサイトには、富士通のグループ会社であるジー・サーチ社が運営するコラボリー、アイ・スクウェア社が運営するグラント・スクウェアなどがあります。


また、最近注目されているのが「クラウドファンディング」です。必ずしも専門知識をもたない一般の人から資金を集める方法で、ほとんどが「設定した目標金額に達したときのみ資金を獲得できる」というしくみです。学術研究専門のクラウドファンディングの場として、海外ではexperiment、日本ではacademistが有名です。academistの目標金額達成率は執筆時点で87.5パーセント(28/32)と、科研費よりはるかに高い獲得率が特徴です。また、過去の実績はあまり重視されず、研究の意義はもちろんのこと、研究者としての情熱を広く一般にアピールできるかが、他の助成金とは異なるところでしょう。


科研費に採択されなかった研究者が対象のエディテージ研究費


エディテージも、熱意のある研究をサポートするため「エディテージ研究費」を作りました。条件は「40歳以下で過去2年間科研費申請をしており、その採択を受けていない自然科学、人文科学、社会科学の全分野の研究者」です。本賞2件には研究費50万円を助成。経験が浅い若手研究者を想定したもので、研究を始めた動機や将来の展望など、いわば「研究観」も伺いたいということです。


応募締切は2016年12月31日。科研費に採択されなかった研究者は、ぜひトライしてみましょう。


エディテージ研究費: https://www.editage.jp/editage-grants.html


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