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自分の研究発信にぴったりなジャーナルの見つけ方

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自分の研究発信にぴったりなジャーナルの見つけ方

成果を出す科学者は、査読ジャーナルでの出版を通じてコミュニケーションを図り、科学的記録を作成するライターであるとも言えます。本記事では、自分の研究を広く伝えるのに適したジャーナルを探すための「成功へのステップ」を紹介します。

[本記事はウォルターズ・クルワー(Walters-Kluwer)社の著者向けニュースレター、 Author Resource Reviewに掲載されたものを、許可を得てここに再掲載したものです。]


成果を出す科学者は、査読ジャーナルでの出版を通じてコミュニケーションを取り、科学的記録を作成するライターであるとも言えます。本記事では、自分の研究を広く伝えるのに適したジャーナルを探すための「成功へのステップ」を紹介します。


研究の特徴をつかむ

論文のテーマ、種類、想定読者によって、あなたの論文を分類してみましょう。今回は、健康科学における看護学を例にとって考えてみましょう。その場合、次のような様々なテーマが考えられます:健康/病気、予防/治療、若年/老年、特殊集団/母集団、経過観察、前後関係などです。論文の種類には、原著論文(観察や実験、質的・量的またはその混合)、システマティックレビュー、メタ分析やメタ統合、臨床ガイドラインや臨床的意義、症例報告などがあります。テーマやアプローチ、分野の発展状況によって、主な読者層には研究者、臨床医、政策立案者、教育者などが考えられるでしょう。テーマ、論文の種類、想定読者層の特徴をつかむことが、あなたの論文に合った編集方針を持つジャーナルを選ぶための前提となります。


ジャーナルとその編集方針を調べる

看護学ジャーナルの編集者による国際団体International Academy of Nursing Editorsのウェブサイトwww.nursingeditors.comで、看護学ジャーナルのディレクトリを見てみましょう。候補になりそうなジャーナルのウェブサイトで「About(ジャーナルについて)」の項目を確認し、候補ジャーナルの最新の目次をよく読みましょう。看護学の研究・臨床ジャーナルのeTOCSに無料購読の登録をして、特別号や優先出版論文についての情報を把握しましょう。論説を読み、レビュー論文1、報告のガイドライン2、方法3に関する編集者の視点や情報についても把握しましょう。論文の募集や連続シリーズにも注目します。特定のテーマに関する論文の募集が前もって発表され、厳しい投稿期限が設けられる場合もあります。特別な条件が必要なこともあるので、注意しましょう。例えばNursing Researchなどのように、データ収集の前に臨床試験登録を行うよう求めるものや、システマティックレビューやメタ分析の事前登録を推奨するジャーナルもあります。(さらに詳しい情報は、ウェブサイトwww.nursingresearchonline.comで「For Authors and Reviewers(著者と査読者の皆さんへ)」のタブからご覧ください。)


その他のジャーナルの特徴について検討する

著者/研究者は、狙った読者層に読んでもらえるよう、影響力のあるジャーナルに論文を掲載したいと考えるのが当然なので、ジャーナルの評判や質は重要です。インパクトファクター、5年インパクトファクター、被引用半減期(cited half-life)、論文ごとの代替指標(ページビューやダウンロード数)などは、そのジャーナルが自分の論文に適しているかどうかの判断に有効です。発行部数からは、どれぐらいの人に読んでもらえるかが分かります。個人購読者(学会員の特典としてジャーナルを購読している学会メンバーも含む)は熱心な読者です。ジャーナルを購読している研究機関では、広範な科学者コミュニティに論文へのアクセスが提供されます。査読プロセスの質、編集者の対応の明確さ、編集判断の公正さを考慮しましょう。カラーページ、補助的デジタルコンテンツ、PubMedへの投稿についてなどの特別な事項についても調べましょう。(Nursing Researchでは現在、編集者の裁量により、各号で一定数のページを著者の費用負担なしでカラーとすることができます。) 出版モデルは急速に変化しています。現在は、「従来型の」無料出版/有料購読、「オープン型」の無料閲覧/有料出版、さらにそのハイブリッドモデルがあります。自分が希望する出版モデルがあるかどうかで、ジャーナルの選択が変わることもあるでしょう。


編集者に問い合わせる

投稿前に編集者に問い合わせてみましょう。投稿を考えていることと伝えた上で、論文のテーマと種類を伝えましょう。アブストラクトを添えて、自分の論文がそのジャーナルに適している理由を説明します。論文原稿がジャーナルに適しているかどうかや、査読プロセスなど、疑問に思っていることついて質問しましょう。メールは専門家としてのやり取りであることを忘れず、堅苦しかったりくだけすぎていたりする言葉遣いは避け、丁寧さを保ちながら、論文と自分の質問について書きます。編集者の任務は、出版コンテンツの選別、査読者の管理、編集部の監督、科学的記録の整合性を保つことです。それを理解すれば、返信のありがたさが分かるはずです。


投稿段階に進む

手に入れた情報を利用して、論文を投稿しましょう。自分の論文に適したジャーナルの候補リストの上位にあるジャーナルから投稿します。注意深く論文を整え、重要な研究であることを明確に示し、看護学で現在進行中のコミュニケーションの輪の中に入り、この分野の科学記録に貢献しましょう。


参考文献

1. Conn V. S., Coon Sells T. G. (2014). Is it time to write a review article? [editorial]. Western Journal of Nursing Research, 36, 435–439. doi:10.1177/0193945913519060

2. Kearney M. H. (2014). Hoping for a TREND toward PRISMA: The variety and value of research reporting guidelines [editorial]. Research in Nursing and Health, 37, 85–87. doi:10.1002/nur.21591

3. Henly S. J. (2013). Use progress in psychometrics to advance nursing science. Revisiting factor analysis [editorial]. Nursing Research, 62, 147–148. doi:10.1097/NNR.0b013e318294b509

4. Broome M. E. (2014). Open access publishing: A disruptive innovation [editorial]. Nursing Outlook, 62, 69–71. doi:10.1016/j.outlook.2014.02.004

 

転載元: Nursing Research: November/December 2013 - Volume 63 - Issue 6 - p 387.


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