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査読者になるには: 若手研究者へのアドバイス

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査読者になるには: 若手研究者へのアドバイス

学術界での成功を求める若手研究者は、自分の知識やスキル、やる気を示せる機会をいつも探しています。査読者になることは、成功への階段を1段のぼることと言えます。査読は、若手研究者のキャリアアップにどのように関係してくるのでしょうか。研究者はどうやって査読者になるのでしょう?本記事では、このような質問への回答を示すとともに、査読者になりたいと願う若手研究者に役立つ、豊富なアドバイスをお届けします。

学術界での成功を求める若手研究者は、自分の知識やスキル、やる気を示せる機会をいつも探しています。査読者になることは、成功への階段を1段のぼることと言えます。査読は、若手研究者のキャリアアップにどのように関係してくるのでしょうか。研究者はどうやって査読者になるのでしょう?本記事では、このような質問への回答を示すとともに、査読者になりたいと願う若手研究者に役立つ、豊富なアドバイスをお届けします。


まず、もっとも重要な質問から始めましょう。若手研究者は、なぜ査読者になりたがるのでしょうか? それは、査読者として考慮されるということは、その分野の専門家として認められたということであり、履歴書や評価に有意義な価値が加えられるからです。査読者として認知されることは、それ自体が功績となり、若手研究者にとって飛躍の足がかりとなります。それだけでなく、査読は自分の専門分野で最新研究がどのように発展しているかを把握し、知識を広げる機会ともなります。若手研究者がネットワークを広げることは非常に重要であり、査読者になることで、分野のジャーナル編集者や他の研究者たちと交流するよい機会が得られるのです。そのようなわけで、多くの若手研究者・ポスドク研究者が、査読依頼を待ち望んでいます。


1. 論文を出版する

自分が信頼できる研究者であることに気づいてもらう方法として、おそらくもっとも論理的で明らかな方法は、質の良い論文を出版することです。良質な論文を何本か出版していれば、査読者を探している編集者の目を引きやすくなります。実際、論文掲載先ジャーナルの編集者が、あなたのテーマと似た論文を受け付けた場合、あなたに査読が依頼される可能性は高くなるでしょう。同じ分野の研究者から、査読者に推薦されるケースもあるかもしれません。良い論文を発表し続ければ、研究のトレンドに詳しく、分野の専門家にふさわしい基準を満たしているということを編集者に伝えることができます。また、被引用数が多ければ、存在感や信頼性が増します。論文には適切なキーワードやタイトルを使いPubMedなどのデータベース索引を利用する編集者から、論文を発見してもらいやすくしましょう。


2. メンターや指導教官に頼む

著者から査読者への道を進みたいなら、メンターや指導教官は強力な支援者となります。メンターや指導教官は編集者とつながりがあるので、あなたのために一筆添えることや、関係者にあなたを紹介することができます。また、指導教官が編集者であれば、あなたが興味を示せば、査読者として検討してくれるかもしれません。この場合にさらに好都合なのは、メンターが査読のやり方についてのアドバイスや指導をしてくれる可能性があるということです。これは、正式なトレーニングが不十分な駆け出しの査読者にはおおいに助かることです。


3. ジャーナル編集者に積極的に連絡してみる

大胆な方法ですが、ジャーナル編集者から見つけてもらえるのを待つのではなく、編集者にアプローチして査読に興味があると伝えてみることもできます。学会に参加すると、分野のジャーナルに関わっている編集者と話す機会があります。編集者は新鮮な視点を取り入れたがっているので、あなたが意欲を示せば、共同査読者や正式な査読者としてのポジションを得られるかもしれません。また、「査読者になることに興味がある」と編集者にメールを送ることもできます。メールでは自分の経歴を簡単に説明し、出版履歴を含めることを忘れないようにしましょう。ただしその前に、ジャーナルの査読者向けガイドラインを読み、基本的な条件や査読者に求められることを理解しておくようにしましょう。


4. 他の査読方法を試してみる

査読者になるには、(通常の)ジャーナル論文査読とは別の道筋もあります。F1000ResearchなどのジャーナルやPubMedなどのプラットフォームは、出版後査読を採用しています。つまり、登録したユーザーが、出版された論文に自由にコメントできるというシステムです。建設的なコメントをシェアすることで査読のスキルを磨けるので、若手研究者にはよい場と言えるかもしれません。中堅・上級の研究者と議論するにも便利なプラットフォームと言えます。ここで重要なのは、このようなプラットフォーム上の査読者の多くは匿名を好むということです。ですから、自分のプロフィール情報などをシェアするのか、それとも匿名で行うのかを決めておいた方がいいでしょう。査読スキルを磨く別の方法として、ブログ記事を書くことや、ジャーナルに出版論文の批判を書くことも挙げられます。

 


ジャーナル編集者は、査読候補者を増やすことを常に考えています。さらに、ジャーナル編集者の多くは、若手研究者をリクルートしたがっています。なぜなら、若手研究者の方が依頼を引き受ける率が高く、自分を売り込みたいために緻密な仕事をし、正直に意見を述べるからです。ですから、ステップアップのチャンスをつかんで、査読者になりましょう。ただし、査読には相応の責任が伴うことを忘れないようにしましょう。


以下の記事もご覧ください:

査読初心者へのアドバイス(シリーズ記事)


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