2016年11月1日、シュプリンガー・ネイチャー社は、イランを拠点とする著者らによる論文58本の撤回を決定したと発表しました。同社は、対象となった論文の盗作疑惑を受けて行なった調査の結果、査読とオーサーシップに明らかな不正が認められたため、これらの論文を取り下げる判断を下しました。
2016年11月1日、シュプリンガー・ネイチャー社は、イランを拠点とする著者らによる論文(7誌、計58本)の撤回をシュプリンガーとバイオメド・セントラルが決定したことを発表しました。同社は、対象となった論文の盗作疑惑を受けて行なった調査の結果、査読とオーサーシップに明らかな不正が認められたため、これらの論文を取り下げる判断を下しました。
撤回されることになった論文の内訳は、バイオメド・セントラルから28本、シュプリンガーから30本です。両社は引き続き不正論文についての調査を行なっており、処分の対象となる論文は増加することも予想されます。広報担当者によると、「異なる著者グループによる、極めて手の込んだ不正操作が行われていたため」、早い段階での不正発見に至らなかったとしています。シュプリンガー・ネイチャーは プレスリリースの中で、「これらの論文を撤回するという決定は、ひとえに科学的記録を正すため」であるとし、「個々の著者が不正に関わったとする証拠は掴めていない」と述べています。
同社は、オーサーシップに関する規定を改め、品質チェックの精度を向上させて編集者が不正を発見しやすくすることを目指し、このような事態の再発防止に努めるとしています。
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