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単位「キログラム」の不確かさを知っていますか?

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単位「キログラム」の不確かさを知っていますか?

思うようにダイエットが進まず、キログラムという単位の正しさを疑ったことのある方もいるかもしれません。でも、今後はそうしたモヤモヤ感も晴れそうです。というのも、国際単位系の7つの基本単位の1つであるキログラムという単位には、然るべき正確性が備わっていないからです。 

思うようにダイエットが進まず、キログラムという単位の正しさを疑ったことのある方もいるかもしれません。でも、今後はそうしたモヤモヤ感も晴れそうです。というのも、国際単位系の7つの基本単位の1つであるキログラムという単位には、然るべき正確性が備わっていないからです。今後は、物理学者マックス・プランクにちなんで命名された量子物理学の重要な値、「プランク定数」が、より正確なキログラム単位の新たな基準になりそうです。


キログラムは、国際単位系の中で唯一、物理的対象に基づいて定義された単位です。パリ郊外にある施設で3重のガラス製ドームの中に保管されているプラチナとイリジウム製の高さ4cmの円柱が「キログラム」と定義され、1889年から現在まで、世界中のあらゆる重量目盛りの基準として利用されてきました。しかしながら、金属の塊を測定単位の基準とすることの矛盾が表面化しました。キログラム原器の重量が経年によって減り、正確には、現在までに5000万分の1グラムのずれが生じてしまっているのです。そのため、時間がたっても変化しない新たな基準が早急に求められています。


米国立標準技術研究所(NIST)は、最新鋭の重量測定装置であるワット天秤(キブル天秤)を使って、プランク定数に基づくきわめて高精度な重量を測定することに成功しています。この装置は、2つの永久磁石に挟まれたコイルからの電磁力を用いて、キログラム質量の重さを支えるために必要な電流を測定するというものです。


NISTによると、新たに測定されたプランク定数は6.626069934 x 10-34 kg-m2/sで、わずか10億分の13の不確かさでの測定が可能になりました(2016年に行った測定の不確かさは10億分の34)。これらの結果は、Metrologia誌で論文として発表されており、科学技術データ委員会(CODATA)の承認を得られれば、2018年までに国際単位系全体の改定に繋がる見込みです。


製剤や食品分析などの精密な測定が求められる産業では、この改定により、すべての生産プロセスに影響が及ぶことになるでしょう。その不確かさはわずか10億分の13ということから、私たちの体重チェックには、何ら影響はなさそうです。


参考資料:

National Institute of Standards and Technology (NIST)
DOI: 10.1088/1681-7575/aa7bf2
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