第四回「ニコンスモールワールド・顕微鏡動画コンテスト」で、「ゼブラフィッシュの側線の成長を見事に捉えた動画が第一位に選ばれました。
Nikon International Small World Competitionは4月27日、第四回「ニコンスモールワールド・顕微鏡動画コンテスト」(Nikon Small World in Motion Photomicrography Competition)入賞者を発表しました。プレスリリースによると、今年はInstitute for Research in Biomedicine Barcelonaのマリアナ・ムゾパッパ(Mariana Muzzopappa)博士とバルセロナのCenter for Genomic Regulationのジム・スウォージャー(Jim Swoger)氏が第一位に選ばれました。受賞理由は、「ゼブラフィッシュの側線の成長を見事に捉えており、このプロセスはヒトの難聴治療に対する洞察をもたらす可能性がある」ということです。
「ニコン・スモールワールド・コンテスト」(Nikon Small World competition)は、「顕微鏡を使って撮影された動画あるいはデジタル微速度撮影写真で、これまでにない新たな視点をもたらす」作品を募集し、「独創性、情報の内容、技術的熟練度、そして視覚的インパクト」に基づいて審査されます。
入賞した微速度撮影動画は、ムゾパッパ博士とスウォージャー氏により、選択的平面照明顕微鏡法(Selective Plane Illumination Microscopy, SPIM)と呼ばれる、細胞内の活動を見るためにライトシートを用いる映像技術を利用して製作されました。二人は、ヒトの内耳にあたるゼブラフィッシュの側線の成長を捉えました。この側線は、周囲の水の動きを魚が感知できるようにする働きをします。魚に導入(トランス)遺伝子を組み込み、未分化細胞と支持細胞が分かるようにして、ゼブラフィッシュの有毛細胞分化を36時間に渡って撮影し、下のような低速度撮影映像にまとめました。
動画部門の二位は、Paedia Corporationのダグラス・クラーク(Douglas Clark)博士の、水中のカフェイン飽和溶液一滴に結晶が形成される様子の低速度撮影映像。そして三位は、コロラド大学ボルダー校(University of Colorado, Boulder)の名誉教授ジョン・ハート(John Hart)博士の、水面の揮発性油の膜の動画でした。
入賞者の皆さん、おめでとうございます!