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「revise and resubmit(修正して再投稿)」判定に対処するには:論文修正の10ステップ

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「revise and resubmit(修正して再投稿)」判定に対処するには:論文修正の10ステップ

一流誌に論文を投稿した場合、「revise and resubmit(修正して再投稿)」の判定が出れば御の字かもしれません。しかし、最終目標はやはりアクセプトです。論文の修正を上手に進めるための10のステップをご紹介します。

[本記事はタニヤ・ゴラッシュ・ボーザ(Tanya Golash-Boza)氏によるブログ記事を、許可を得てここに再掲載したものです。]


一流誌に論文を投稿した場合、編集者から「査読コメントに回答し、修正版を再投稿してください」という返答が来れば御の字でしょう。私は、大幅修正と再投稿を経てアクセプトされた論文が20本ありますが、経験を重ねる中で、大幅修正の要求に対するシンプルなアプローチを見つけました。その10のステップをご紹介します:


1. 編集者からのレターを熟読する

編集者からのレターをよく読み、修正と再投稿を求められていることを再確認しましょう。レターに記載される判定には、修正・再投稿の要求以外に、以下のものがあります:

i) 再投稿を要求しない即時のリジェクト
ii) 小幅修正を伴う条件付きのアクセプト
iii) 修正の必要がない即時のアクセプト(多少の修正を提案される場合もある)


レターの内容が不明確な場合は、編集者に問い合わせるか、先輩研究者にレターを読んでもらって意見を求めましょう。


2. エクセルで修正箇所を整理する


査読コメントの整理用に、エクセルで4列の表を作り、列タイトルをそれぞれ「査読者名」、「指摘内容」、「回答」、「ステータス」としましょう。列の幅を広げて、各セル内のテキストがすべて表示されるように設定すれば、見やすい一覧表を作ることができます。とくに、「指摘内容」と「回答」については、この作業が欠かせません。


3. 査読者からの指摘と編集者からのコメントを抜き出す

受け取ったレビューを入念にチェックしながら、修正が必要な箇所を抽出し、エクセルの表に記入しましょう。査読コメントから有用な指摘をすべて抜き出すのは、骨の折れる作業です。有用な指摘であったとしても、難解な文章でそれを伝えようとする査読者がいた場合はなおのことでしょう。


この作業のメリットは、指摘を自分の言葉で言い換えられるので、元のコメントを見直す必要がなくなることです。たとえば、次のような査読コメントがあったとします:「この論文が抱える主な問題の1つは、研究方法のエビデンスが不十分だということです」。この場合、より簡潔に分かりやすく書き換えることができます:「データ収集について、方法セクションでより詳細に説明する」。また、それぞれの指摘が誰のものか(査読者1、査読者2、査読者3、編集者など)も記入しておきましょう。


4. 指摘を論理的に整理して、修正作業に備える

結果の報告の仕方や、文献レビューの不足に関する問題を、複数の査読者から異なる表現で指摘されることも珍しくありません。「結果」セクションに関するすべての指摘をカテゴリー別に分けることで、より体系的な修正作業が可能になります。イントロダクション、文献レビュー、データ分析などのセクションについても同様の作業を行えば、査読者への回答がしやすくなります。


5. すべての指摘への回答方針を決める

たとえば、「先行研究の文脈における貴論文の意義をより明確に説明してください」という指摘があれば、次のように言い換えます:「この研究が、先行研究に足りない知見を埋めるためのものであることを具体的に説明したパラグラフを、イントロダクションセクションに1つ加える」。指摘を自分の言葉で言い換えるときは、このように、次に何をすべきかが明確になるような表現にしましょう。


回答は、すべての査読コメントに対して行わなければなりません。各コメントに対して、修正版でどのような修正を行なったかを具体的に示しましょう。中には同意できない指摘もあるでしょう。そのこと自体に問題はありませんが、査読者の修正案を取り入れない場合は、その理由を説明する必要があります。たとえば、論文の改善のために、追加または新規の実験を行うよう提案されていたとします。この提案に同意できない場合は、その実験が論文に不要だと考える理由を説明しなければなりません。エクセル表の3列目(回答列)に、指摘への回答方針を具体的に記入しておきましょう。


6. 回答方針に沿って、11つ修正していく

以上のように、すべての指摘を整理し、修正のための具体的なプランを立て、回答方針が定まったら、いよいよ実際の修正に取り掛かるときです。それでも不安なときは、もっとも簡単なものから始めましょう。一般的に、修正がもっとも簡単なのは、文法や句読点に関するミスです。また、参考文献の引用漏れに関するミスも、比較的取り掛かりやすい修正です。


7. エクセル表を使って編集者への回答レターを練る

当然ながら、作成したエクセル表を編集者にそのまま送ることは控えましょう。表はあくまで、漏れなく丁寧に、フォーマットに沿ったレターを作成するための下書きとして利用しましょう。編集者への回答レター例は、以下の通りです:「査読者1に、先行研究の流れにおける論文の意義をより明確に述べるよう指摘されたため、本研究が先行研究に不足している知見を埋めるためのものであることを具体的に説明した文章を追加しました」。


8. ダブルチェック

査読コメントを見直し、誤解や抜けがないことを確認しましょう。それぞれの指摘やコメントと編集者への回答レターを照らし合わせ、すべての指摘に回答できているかどうか、各回答が妥当であるかどうかを確認しましょう。


9. 修正版を読み直す

修正した論文を読み直し、文章の流れや趣旨が本来の意図からずれていないかどうかをチェックしましょう。読み直すときは、審査のことは忘れ、その論文や査読コメントを知らない一読者になったつもりで読みましょう。


10. 論文を再投稿する

すべての修正箇所に問題がないと判断したら、修正版と回答レターを編集者に送りましょう。


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何ヶ月も労力を注いだ論文に要大幅修正の判定を受けたら、がっかりすることもあるでしょう。しかし、「revise and resubmit(修正して再投稿)」の判定に失望する必要はありません。修正と再投稿を求められているということは、必要な修正さえ行えば、その論文には出版する価値があると評価されているということです。重要なのは、焦らずに11つ取り組み、査読コメントにシステマティックに対応することです。


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