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Lancetの症例報告に投稿準備していますが。患者さんの同意書に決まりがありますでしょうか。ご指導下さい。

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Lancet の症例報告に投稿準備していますが。患者さんの同意書に決まりがありますでしょうか。ご指導下さい。 600語以内の1例報告,引用文献5報以内,写真は2つまで。患者またはその保護者から掲載同意書を得ること。書いてありますが、、、

回答

Lancet誌の「Information for authors(著者への指示)」には、患者の同意について以下のように書かれています:

  • 同意書は各所管区域の関連法規制に則ったものでなければならないため、Lancetはサンプルフォームの提示を行わない。フォームは著者自身の責任において用意するものとする。所属機関が適切な同意書を用意しているはずなので、確認すること。
  • Lancetでの出版を目的とする場合、あらゆる出版物(印刷物、電子版、ウェブサイト)、サブライセンスおよび(翻訳版も含む)転載版、その他すべての製品に対して、例外なく同意書、許可書、または譲渡書が必要である。
  • 患者やその他個人のプライバシーを尊重するため、署名入りの同意書をLancetに提出しないこと。代わりにAuthor Statementの患者の同意欄に記入し、必要な場合に備えて署名入り書類のコピーを保管しておくこと。


Lancetで出版される論文のための患者用同意書を、こちらからダウンロードできます。ただし、上記3番目の指示で、署名入り同意書は著者が保管し、Lancetに送付しないようにと書いてあるのでご注意ください。この同意書に加え、所属機関指定の同意書も用意する必要があるかもしれません。万全を期すために、患者には両方の同意書に署名してもらうことをお勧めします。


関連記事:


ジャーナルが投稿論文を辞退させてくれません

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あるオープンジャーナル( IF:2.071)に論文を投稿してから音沙汰が無いため、6ヶ月がたった時点でEditorial Manager上で連絡を取ると、まだレビュアーが見つかっていないとのことでした。その後3ヶ月が経って、まだかと連絡を取ると、同じような回答でした。 オープンジャーナルのため、APCもかかる上にレビュープロセスが遅いとなるとちょっと我慢できなかったので辞退したい旨を連絡しました。すると、Senior Editorに伝えると返ってきました。それから2週間が経ってもUnder Review Processのまま。再度催促のメールをしたら、「今日もう一度Senior Editorに伝える」との返信でした。 返信は即日来て丁寧なのですが、それ以降1ヶ月が立ちますが変化ありません。辞退する方法はほかにないのでしょうか。

回答

ャーナルに、論文の取り下げ確認を求めるメールを改めて出しましょう。1週間程度の期限を設け、「この期限までに確認をもらえない場合は、論文の取り下げが承認されたものと考える」と伝えてください。


このメールにも相応の返事が来ない場合は、「いくら連絡をしても無益なようなので、自分の論文は取り下げられたものと了解する」というメールを最後通牒として送りましょう。これ以降、ほかのジャーナルに論文を送ることができます。ただし、論文を取り下げたジャーナルに送ったメールは、すべて保存しておきましょう。将来何か問題が起こった場合、ジャーナルへの問い合わせを再三行なったことを証明する文書として、これらのメールを使うことができます。


以下の記事もお勧めです:

What to do when a journal is non-responsive for almost a year?

若手研究者のためのネットワーク作りのヒント

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若手研究者のためのネットワーク作りのヒント

ネットワーク作りは、共生関係を構築・強化するための重要な行為です。しかし、多くの若手研究者が、「百戦錬磨の科学者が、自分みたいなただの学生を相手にしてくれるはずがない」と思い込み、ネットワーク作りを敬遠しています。この記事では、学会で堂々と振る舞うためのコツを紹介します。

大学院生という立場で何度か学会に参加できたことは、幸運でした。最初のうちは、発表すること、軽食(無料)をつまむこと、遠距離の友人と再会することだけが参加の目的でした。ときどき、「ネットワーク作り」という身の毛もよだつ言葉を耳にすることがありますが、ネットワーク作りは、学術界や産業界での共生関係を構築、強化するためには極めて重要な行為です。しかし、多くの若手研究者が、「百戦錬磨の科学者が、自分みたいなただの学生を相手にしてくれるはずがない」と思い込み、ネットワーク作りを敬遠してしまっています。この記事では、学会で堂々と振る舞うためのコツを紹介します。


恥ずかしがらない

学生という身分で目上の研究者に話しかけることは、非常に気後れするミッションかもしれません。でも、たとえ不安が押し寄せてきても、自分を奮い立たせてください。私の場合、ありったけの勇気を振り絞ってある教授の研究発表に表敬しに行った経験が、大きな自信になりました。彼がフレンドリーに対応してくれたことで、ある当然の事実に気付きました。「教授もただの人間である」ということです。人気ゆえに多忙な教授との会話を成功させる最良の方法は、簡単に自己紹介をして、自分のポスターや発表を見に来てもらうよう誘ってみることだと思います。そうすれば、相手の時間を邪魔することなく、自分の研究について知ってもらうことができます。簡単な会話だけで終わったとしても、見知らぬ人から面識のある人に昇格するので、その後の研究室訪問もしやすくなるでしょう。


名前が大事

シェイクスピアは「What's in a name…(名前に何の意味が…)」と書いていますが、これには例外があります。ネットワーク作りの場では、名前を知ることが何よりも重要だからです。専門分野で影響力のある人物と食事をするという絶好の機会が訪れても、名前を知らなければ、その後に連絡を取る手段がありません。指導教官に、ある研究者を紹介してもらったときのことが思い出されます。その人の研究関係の情報は把握していたのですが、名前については姓しか知らなかったのです。私は、それに気づいた瞬間に言葉を失い、困惑してしまいました。それからは、学会の前になると事前準備として、興味がある発表者や参加者の名前を確認することを心掛けるようになりました。数多くの参加者の中から接触したい相手を絞り込む上でも、このような心掛けは大変役に立ちました。


ポスターセッション: 専門分野でのネットワーク作りの場

ポスターセッションは、多くの人から過小評価されているよう感じます。これは職場でいう休憩所のようなもので、科学について自由に議論できる場です。論文では明かされない「上手くいかなかったこと」についての情報が得られる場でもあります。個人的に、博士課程在籍中に受けた指摘の中でもっとも重要だったものは、初めてポスター発表をしたときに受けたものでした。ある人物から、大惨事に繋がりかねない重大な実験の不備を指摘されたのです。もしその人が立ち寄ってくれていなかったらと思うと、ゾッとします。それ以来、ポスターセッションを、研究テーマに関する可能な限りの情報を集める場として積極的に利用するようになりました。基本的には、関連領域の参加者名、ポスター番号、具体的な質問などの情報武装をして臨むようにしていました。ほとんどの研究者が協力的かつオープンに議論を交わしてくれることを体感できるので、ぜひ一度試してみてください。


好印象を残すだけでは意味がない

たとえば、すべてが計画通り、円滑に進んだとしましょう。X氏について調べ、勇気を振り絞って話しかけ、実りのある議論ができました。さて、ではその先は? 私はよく、その辺にある紙切れに連絡先を書いて渡していましたが、その後、それを失くされてしまったのではという不安に襲われていました。このような真似は絶対にやめましょう! 正解は、名刺を用意することです。学生時代は名刺を持つことに抵抗がありましたが、ある学会で無料の「ネットワーキングカード」が配布されたときに、その効果を初めて目の当たりにしました。私が若い研究者に伝えたいのは、名刺は肩書を誇示するためのものではなく、相手に連絡先をスマートに渡す手段である、ということです。


PhD取得後、研究ではなくサイエンスライティングとコミュニケーションの世界に進みましたが、研究者でなくなった今も、ネットワーク作りの重要性は変わっていません。現在私は、頼る相手のない外国で働いています。その中で、ネットワーキング・イベントや、同じ関心を持つ人たちとのグループミーティング、ワークショップなどに定期的に参加するようにしています。このような場に積極的に飛び込んでいけるのも、これまでのネットワーク作りの経験が大きな自信になっているからだと思います。

 

*この記事は、プラブネ(Prabhune)氏の投稿、「Networking: a dark science for young researchers(ネットワーク作り:若手研究者のためのダークサイエンス)」の一部を基に構成されたものです。

剽窃(盗作)について教えてください

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査読のプロセスをいつも分かりやすく説明して頂きありがとうございます。剽窃についていくつか質問があります。ジャーナルは、類似をどの程度許容していますか?剽窃を疑われる内容が論文に含まれているかどうかを確認する方法はありますか?ジャーナルのスタッフが剽窃チェックを行うのはどの段階ですか?剽窃について詳しく知りたいです。よろしくお願いいたします。

回答

以下に回答します。


当然のことながら、意図的に剽窃を行ったコンテンツは許容されません。しかし、出版済み論文との類似を編集者が認識しても、対応に困る場合があります。とくに、非英語ネイティブの著者は、自分の言葉で文章を書き直すことが難しいため、このような事態に陥りがちだからです。また、ジャーナルが使用する剽窃検知ソフトの精度は完璧とは言えず、とくに高度な専門性や専門用語が含まれている論文に対しては、まだまだ改善の余地があります。このため、多くのジャーナルは、ソフトが検知した類似文章をある程度まで許容しています。ただし、この許容範囲についてコンセンサスが得られているわけではなく、15~20%程度の類似であれば許容するジャーナルが多いようです。加えて、許容の基準は論文の種類やセクションによっても変わります。たとえば、レビュー論文や研究方法のセクションに関しては、許容範囲を拡げるジャーナルが多いようです。


著者の多くは、投稿前に剽窃チェックを行い、ジャーナル側のチェックに引っかからないようにしています。iThenticatePlagTrackerViperなど、オンラインで使用できるさまざまな剽窃検知ソフトがあります。剽窃を疑われる可能性が高そうなら、文章を練り直してみましょう。言い換えが難しい場合は、英語ネイティブの同僚や友人に助けを乞いましょう。あるいは、プロのサービスに頼るのも一案です。エディテージも剽窃チェックサービスを提供しています。


通常、剽窃チェックは投稿直後の、編集者による初回チェックのときに行われます。類似率が高すぎると、論文は査読前にリジェクトされます。それほど高くない場合は、修正後の再投稿を求められるかもしれません。ただし、ソフトウェアによって異なる結果が出ることもあるので、自分のチェック結果とジャーナル側の結果が一致しなくても驚かず、誤差として受け止めましょう。


剽窃については多くの記事があります。以下も参考にしてください:

科学を脅かす「再現性の危機」は解消できるか?

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科学を脅かす「再現性の危機」は解消できるか?

優れた科学研究/論文とは、別の研究施設で別の研究者が同様の手順を踏んでも再現が可能であるということでしょう。論文を投稿する前に、研究室での反復性と、別の研究室での再現性を確認しておくことは、著者自身が行うべき最小限のプロセスです。再現性の確認は、なぜそれほど重要なのでしょうか?

分析化学の分野で活動してきたこの30年間、私はさまざまなジャーナルで数多くの論文を査読してきました。その中には、分析法バリデーション(analytical method validation)がほとんど、またはまったく行われていないために、再現性、反復性、頑健性、信頼性や、バリデーションによって示すべき多くのエビデンスが不足しているものが多くありました。驚くべきは、これらの大半が、生物学のジャーナル(ScienceNature、CellBioTechniquesなど)ではなく、分析専門のジャーナルに投稿されていたことです。こうした状況から考えると、既存の論文や最近の論文に再現性や分析法バリデーションに関する要素が欠けていても不思議はありません。


優れた科学研究/論文とは、別の研究施設で別の研究者が同様の手順を踏んでも再現が可能であるということでしょう。論文を投稿する前に、研究室での反復性と、別の研究室での再現性を確認しておくことは、著者自身が行うべき最小限のプロセスです。このきわめて重要な要素が満たされない限り、研究結果の公表は控えるべきでしょう。研究は、試験実施適正基準(good laboratory practices、GLP)などの科学的規範に準拠し、品質管理・品質保証ができるGLP認定を受けた施設で行う必要があります。また、すべての測定を最低3回は繰り返し、統計的処理・集計分析が行われたデータ(数字)を用意する必要があるでしょう。


再現性の確認は、なぜそれほど重要なのでしょうか?再現性・反復性を示す要素がないためにリジェクトされる論文は、増え続けています。それらの論文は、再現不可能な既存文献の数を増やすだけです。分析関連の最新の論文の査読を行なっている人々が私の経験に共感するなら、ジャーナルや編集者が、論文を評価する際に著者により多くを求めなければならないことは明らかです。論文には、再現性、反復性、頑健性、信頼性を示すエビデンスや、真正性/完全性を示す要素および分析法バリデーションが含まれていなければなりません。これらが示されていない論文は、別の研究者による再現が不可能であるため、出版されたとしても役に立たず、既存の多数の科学文献が全体的に再現性を欠いているという現在の危機に繋がるだけなのです。


私が担当する分析論文のほとんどは、分析法バリデーションが部分的に行われているか、またはまったく行われていないかのどちらかです。これは、頑健性、信頼性、再現性、反復性、検出下限(limits of detection)、定量下限(limits of quantitation)、定量分析のためのキャリブレーションプロット、反復測定データの統計処理(n≧3)、試薬の安定性、品質管理、品質保証、GLPなどが欠けているということです。そして、再現性を示す要素に欠けた論文のほとんどは、分析機器、薬剤、生物薬剤関連の企業や政府機関からではなく、学術機関から生み出されています。研究機関は、米国食品医薬品局欧州医薬品庁および日本薬剤師会が定めている関連規制要件を満たす(すなわち、厳格なバリデーションによるエビデンスを提示する)必要があります。それにもかかわらず、ジャーナルや編集者は、現在に至るまで学術界に対してこのような義務付けや要求を行なっていません。研究者たちも、分析法バリデーションを行うための時間や費用、労力を惜しんでいます。研究者たちが分析法バリデーションをいとわずに行なっていれば、現在の再現性の危機は避けられていたかもしれません。


以上の議論を踏まえて、科学がこの問題を正し、完全に再現性のある論文を将来的に生み出していくにはどうすればいいかを考えてみたいと思います。著者、査読者、編集者、ジャーナル出版社、助成機関のうち、誰がこの責任を負うのでしょうか?妥当かつ再現性・反復性がある誠実な結果/データを提示する最終的な責任は、著者にあると言えるでしょう。一方、査読者も、再現性・反復性を示す要素や、バリデーションや信頼性を付与する基準を含まない論文をより厳しく評価すべきです。ジャーナルによっては、良質な論文だけが出版されるよう、査読者向けのガイダンスや指示をウェブサイトで提供しているところもあります。編集者は、判定を下す前に査読者のコメントや提言についてよく検討する必要があります。あるいは、再現性や反復性を示すエビデンスがない論文は、そもそも査読に回すべきではないでしょう。そして出版社は、出版後の信頼性、再現性、反復性を保証するために、投稿論文に含まれるべき事項についての方針を見直すべきでしょう。


こうした状況から、ジャーナルは、論文の再現不可能性と、往々にしてその後に起こる撤回という問題を防ぐための方法を模索しています。NatureBioTechniques、The Analystなどのジャーナルは、研究の説明の中で、再現性・反復性を示すエビデンスや、それぞれの実験を何度繰り返したかを示すよう著者に求めています。中には、分析法バリデーションの基準を本文に含めるよう指定しているガイドラインもあります。最終的に出版を認める論文について、ジャーナル編集者や査読者は、より慎重になる必要があるでしょう。分析法バリデーションのエビデンスがほとんどあるいはまったくない場合はなおさらです。その場合、再現・反復ができない可能性があるためです。目指すべきゴールは、論文の最終版に十分なデータ、情報、バリデーションが含まれていて、読者の手による再現性が保証されている状態に持って行くことです。


再現性・反復性の欠如は、科学の歩みを鈍らせます。加えて、再現不可能な研究は科学研究費に膨大な負荷をかけるので、資金調達にも悪影響を与えかねません。また、人々から科学への信頼を奪うことにも繋がり、医療政策を危機に陥れる恐れもあります。したがって、科学の主要関係者たちは、良質で高品質な科学を発表することを、何よりも優先させるべきでしょう。

「再現不可能性の問題は深刻ですが、誤解されている面もあります」

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「再現不可能性の問題は深刻ですが、誤解されている面もあります」
2016年Sentinels of Science(科学の門番)賞を受賞。医学統計学の教授や上級講師として、ルンド大学(スウェーデン)など複数の学術機関で勤務し、現在は独立統計コンサルタントとして活動。Osteoarthritis and Cartilage誌の副編集長、British Journal of Surgery誌の統計編集者、Acta Orthopaedica誌の統計コンサルタント、その他複数の国際医科学誌の統計学専門の査読者としても活躍中。自身が運営するブログ「Statistical Mistakes(統計的誤り)」では、医学研究の統計的誤りに関する系統的レビューを行い、既存文献を参照しながら、そのような誤りを防ぐための方法を解説している。

研究者は多忙なものですが、その中でもヨナス・ランスタム(Jonas Ranstam)氏はとりわけ忙しい研究者と言えるかもしれません。ランスタム博士は世界でもっとも多くの論文を査読した人物として公式に認定されており、1年間で661本の論文を査読したことがあります。医学統計学者である同氏は、査読者の貢献を称えるためにPublonsが設けたSentinels of Science(科学の門番)賞を2016年に受賞し、最高の査読者の1人として知られるようになりました。今回のインタビューでは、医学統計学から査読まで、幅広いテーマについてお話を伺うことができました。


ランスタム博士は、フルタイムの研究職から身を引く前は、医学統計学の教授や上級講師として、ルンド大学(スウェーデン)など複数の学術機関に務めていました。現在は医学統計学者として、学術・研究機関、病院、政府機関、企業の臨床学や疫学研究者の統計アドバイザーを務めています。また、その専門性を活かし、Osteoarthritis and Cartilage誌の副編集長、British Journal of Surgery誌の統計編集者、Acta Orthopaedica誌の統計コンサルタント、その他複数の国際医科学誌の統計学専門の査読者として活躍しています。自身が運営するブログ「Statistical Mistakes(統計的誤り)」では、医学研究の統計的誤りに関する系統的レビューを行なっており、既存文献を参照しながら、そのような誤りを防ぐための方法を解説しています。


インタビュー前半では、統計的方法論、運営しているブログ、医学研究において不確実性のある結果を発表することの問題、再現性の危機についてなど、幅広いテーマでお話を伺いました。また、論文で統計データを用いるときに研究者がよくするミスについてもお聞きしました。

まずは、現在の活動についてお聞かせください。独立した統計学者/コンサルタントとしてどのようなことをしているのでしょうか?

臨床治療研究の分野を中心として、医学研究の問題に取り組んでいます。具体的には、研究プロジェクトの研究デザイン開発に参加したり、研究プロトコルや統計分析計画を書いたりしています。また、論文の査読や助成金申請書類、ときには就職応募書類のレビューも行なっています。前職の大学教授職とは対照的に、今は管理業務が非常に少なく、指導業務に至ってはほとんど行なっていません。

ブログ「Statistical Mistakesを始めた理由は何でしょうか?

このブログは当初、自分用の参考文献リストにすぎませんでした。査読をするときは、著者の学びを手助けする意味で、査読コメントに参考文献を含めることがよくあり、その作業の効率を上げるためにリストを作っていたんです。しかし、仕事柄、さまざまな場所で異なるパソコンを使って作業することが多く、リストをワードファイルに保存しておくのは不便でした。もっとも簡単な解決策が、WordPressの提供するブログサービスを利用することだったのです。


リストを公表することで不都合が生じるとは考えませんでした。むしろ、ほかの研究者の論文執筆や査読の手助けになるかもしれないと思いました。


ほかにも2つのブログに関わっています。ArthroplastyWatchでは、人工関節置換術の安全に関する情報を世界中から集めています。DRICKSVATTEN.BLOGは、スウェーデン国内の飲料水に関する情報を集めたブログです。

ブログの中で、医学研究者は「統計学的方法論について無知である」と言及されていますが、どのような改善方法がありますか?データや統計分析の扱いについて、医学やその他の分野の研究者の意識を高めるにはどうしたらいいでしょうか?

私が言ったことは、残念ながら事実です。ダグラス・アルトマン(Douglas Altman)氏は、次のように指摘しています。「統計分析の多くは、統計的手法に関する理解が不十分な人々によって行われている。さらに、その論文は同程度の知識しか持たない査読者によって査読されている」[Altman DG. Statistical reviewing for medical journals. Stat Med 1998;17:2661-2674]。


統計的な誤りは、結果として私たちすべてに影響を及ぼします。統計的誤りがなければ、より効果的・効率的な治療が可能ですし、コストを抑えることもできるはずです。私が最大の問題だと考えているのは、良質な医学研究には確率的現象への理解が不可欠であるにもかかわらず、多くの医学研究者が決定論的思考で研究を行なっているということです。


医学研究の質を向上させるための試みも行われており、統計的レビューの重要性は、多くの医学ジャーナルで高まっています。試験記録の公開や、CONSORT、PRISMA、ARRIVEなどの試験報告チェックリストの遵守は、論文がアクセプトされる上で欠かせない要素となっています。

ご自身のプレゼンテーションの中で、「すべてとは言わないまでも、多くの著者は、自分の研究結果の不確実性についての意識が低すぎる」と指摘されています。その点について詳しくお話し頂けますか?

医学研究はたいてい定量的なものです。つまり、研究結果のサンプリングや不確かさを定量化しているということです。これらは通常、p値や信頼区間を用いて測定されます。有意でない結果は、発表するには余りにも不確実であると考えるのが一般的です。


しかしながら、p値や信頼区間が正しく算出されていたとしても、実際よりも不確実性が低い印象を与えることができます。たとえば、仮説生成型の研究結果は、それが確証的であるかのように見せることができますし、多重検定の影響は無視または不適切な方法で補正することができます。このような行為が必ずしも故意であるとは限りませんが、一般的な方法論自体に、体系的に過大評価された経験的支持を伴う研究結果を生み出す性質があるように思います。現在の出版界が「出版するか消え去るか(Publish or perish)」という文化であることを考えると、このようなことが起こるのも不思議ではないのかもしれません。

別のプレゼンテーションでは、ジャーナル編集者は、より多くの被引用数が見込めるガイドラインの出版に躍起になっていると指摘されていました。この点についても詳しく教えてください。

レビュー論文やガイドラインなどの論文は、ほかの論文よりも引用されやすく、それゆえにジャーナルのインパクトファクターに大きな影響を与えると言われています。


この現象についてどの程度調査が進んでいるのかは分かりませんが、私が医学統計学の分野で働き始めた当時、医学研究の分野でもっとも多く引用されていたのがNonparametric Statistics(シドニー・シーゲル著)という統計学のテキストで、この中には分布によらない検定に関するガイドラインが含まれていました。

医学/生物統計学研究において、データの管理/保管/共有はどのような役割を担っていますか?

個人的に、結果の再現性は重要かつ必要なものだと考えていますが、オープンデータやデータシェアリングの議論は、少々危ういと感じています。複合的なデータベース構造や高度な統計分析によって、過小評価すべきでない多くの問題が表面化します。統計的再分析における誤りや誤解によって、妥当な研究結果の信頼性も容易に損なわれてしまいます。このような問題を防ぐには、データシェアリングに評価基準を定める必要があると思います。

科学が直面している再現不可能性の問題について、ご意見をお聞かせください。この問題を解決する方法はあると思いますか?

再現不可能性の問題は深刻ですが、誤解されている面もあると思います。科学は現状の事実に対して問いを投げかけることで発展します。結果を再現できるということは重要な要素ではありますが、再現できなかったとしても、それは必ずしも悪いことではありません。


私は、研究を適切にラベリングすることが重要だと考えています。多くの研究は探索的なものであり、目的は仮説を立てることです。このような研究は計画も立てやすく、適切に遂行できますが、推論の域を出ない結果に終わる可能性もあります。このような結果の不確実性を確証的に算出することはできないので、再現性がないのは当然と言えます。


また、検証的研究の結果も不確実だと言えますが、こちらの場合はより確定的です。なぜなら、結果の推論による不確実性を算出できる方法で計画・遂行されるからです。とは言え、一部の結果は誤っていたり再現不可能であったりすることが想定されます。


残念ながら、多くの研究に統計的な誤りが存在しています。実験を例に挙げると、エンドポイントが事前に設定されていなかったり、分析計画の中の多重検定に不適当な多重度補正が行われていたり、独立観測ではなく相関性を基にしていたり、といったことです。さらに、統計的評価の基礎となる前提条件が満たされているかどうかも無視されがちです。このほかにも、同等の重大な誤りは疫学研究の分野でも頻発しています。


現状を脱するための簡単な方法はありませんが、研究資源をより合理的に使用するためには、統計的な厳密さが明らかに不足しています。

著者、査読者、編集者としての経験から、統計データを使用する場合に著者がもっともよくするミスはどのようなものだと思われますか?これらのミスを防ぐ方法はありますか?

もっとも頻発するミスの原因は、p値と統計的有意性を正しく理解していないことだと思います。これらは不確実性に関連する重要な指標ですが、しばしば誤って使用されています。


最近出版された複数の論文(米国統計学会によるものなど)では、これらの問題が議論され、改善策が提案されています。BASP(Basic and Applied Social Psychology)誌は、「帰無仮説の有意検定」を一部含むようなp値やその他の統計的指標の使用を禁止しています。しかし、推論による不確実性を無視することは、状況を悪化させるだけでしょう。


 

インタビューの前半はここまでです。後半では、学術出版における査読についてお話を伺います。お楽しみに!

査読にて編集長から参考文献に入れる論文を指定されました

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論文を投稿し編集長からの査読コメントで、参考文献に入れる論文がいくつか指定されました(その論文は投稿した雑誌の論文です)。その論文は今回の研究とは関連があまりないように思うのですが、参考文献に入れるべきでしょうか?一部だけでも入れるべきでしょうか? また、このようなことはよくあることなのでしょうか?

回答

参考文献として引用するのは、原稿と関係のあるものだけにすべきです。編集者から送られた参考文献リストの中に、自分の研究とは関係のない論文が含まれているのなら、それらを引用すべきではないでしょう。ただし、何らかの関係があるものが1、2点あるのなら、それらを採用して、編集者のアドバイスを考慮した姿勢を見せるとよいでしょう。編集者への返信の中で、自分の論文に関係がありそうな数点の文献のみを採用したこと、ほかの文献には関連性が見られなかったので採用しなかったことを伝えましょう。


編集者が自分のジャーナルで掲載された論文の引用を求めることは、まったくないわけではありません。これは、原稿の引用回数を増やすためです。編集者からの連絡が単なる提案であり、採用するかどうかの判断があなたにゆだねられているのなら、何ら問題はありません。しかし、もしそれが出版の必要条件として求められていたり、指定された文献の引用を強いられていると感じるのなら、科学編集者会議による出版倫理にかんする白書によると、これは一種の強制引用もしくは引用操作という不適切行為とみなされます。


編集者とやり取りをする中で、「指定した論文の引用に応じなければ論文をリジェクトする」とほのめかされていると感じる場合は、スーパーバイザーやPIに介入を要請し、自分の代わりに編集者にメールを書いてもらえるようお願いしてみましょう。メール冒頭で、そのスーパーバイザーが著名な学者であるという印象を与えると効果的です。以下に例文を示します:
 

「私は、教え子である_________の本原稿について、文献レビューをはじめとする学術面での助言や指導にあたっている者です。この分野で一定の経験を持つ学者として、貴兄が示された推奨文献リストを、興味深く拝見いたしました。教え子には、そのリスト内で関連性の認められる1、2点[具体的に特定する]を採用するようアドバイスしましたが、それらは、対象分野および貴ジャーナルに投稿した今回の論文の基礎的文献とは、関連性が薄いように思われます。仮説を補強する文献の採用は、そう単純にできることではありませんが、今回のケースでは、ご提案頂いたうちの数点については異論がないと考えたため、教え子にそのように助言いたしました。


貴ジャーナルに蓄積された豊富な文献についてご教示頂き、誠にありがとうございます。貴兄におかれましては、ご提案頂いた文献のすべてではなく一部のみの採用を勧めた今回の小職の判断を、十分にご理解頂けることと存じます。


教え子ともども、本原稿に対する判定をお待ちしております。」


ベテランの学者に間に入ってもらうことによって、編集者からのリクエストがストップすることを願っています!

投稿料の支払いについて。

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投稿中の論文が投稿後1ヶ月でin editingのstatusとなりました。それと同時にpay to publish が表示されてますが、acceptが決定されていない段階で投稿料は支払うべきでしょうか?

回答

いいえ、この段階で支払いを行う必要はまったくありません。ジャーナルのウェブサイトを確認し、同僚や先輩にもこのジャーナルについて聞いてみましょう。この段階で投稿料の支払いを求めるような著名ジャーナルはありませんので、今回のジャーナルには大きな懸念が持たれます。信頼できるジャーナルだという確信がない限り、論文の取り下げを検討した方がよいでしょう。あなたの評価に傷がつくことを避けるためにも、怪しげなジャーナルと関わりを持つことは避けましょう。


こちらの記事も参考にしてください。

How to identify predatory publishers- A Checklist


レビュアーからトップカンファレンス/学会を紹介されました

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リジェクトコメントとして、英語、論理展開面の不足を指摘された上で、トップカンファレンス/学会への投稿を示唆されました。このようなことはあるのでしょうか。 論文を大幅に修正してわかりやすくなったとは思うのですが、(英文校正は専門家のサービスを受けるとして)トップカンファレンス/学会への投稿が怖いです。所属機関もないので心配です。

回答

レビュアーはおそらく、あなたの研究に可能性があると考えて、カンファレンスへの投稿を勧めたのでしょう。しかし、リジェクトされたからには、論文には改善の余地があるということです。カンファレンスで発表する目的は、あなたの研究を参加者に知ってもらい、フィードバックを得るためです。意見を聞いてそれを取り入れれば、論文の質は大幅に改善されるので、その上でジャーナルに投稿しましょう。論文は確実に良くなり、現在よりもずっと中身が濃いものになって、アクセプトのチャンスは大いに高まるでしょう。いずれにせよ、これは非常に前向きなコメントなので、レビュアーのアドバイスに従うことをお勧めします。


こちらの記事もお勧めです:

Can a conference paper be submitted to a journal?

reviews receivedの後の編集者の意思決定

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あるオープンアクセスのジャーナルに投稿し、10日でunder reviewになり、それから2週間もも経たずにreviews receivedとなりました。 その後すぐに結果が伝えられると思いましたが 10日を過ぎても来ません。 一般的にリジェクトの場合は、返事が早いと聞きましたが、編集者がどう考えているのか気を揉んでいます。 今までのご経験からどういう状況が考えられるかご教示よろしくお願いいたします。

回答

デスクリジェクトの場合の判定は迅速です。それは、査読を行わないためです。しかし、今回の場合はステータスが"Under review"になり、さらに"Reviews received"に変わっているので、論文は査読に回ったと考えられます。これが正しければ、あなたの論文は初回判定を通過し、デスクリジェクトは回避したと考えられるので、希望が持てるでしょう。


とは言え、ジャーナルの中には、初回判定についても"Under review"というステータス表記を用いるところがあるので、確実なことは分かりません。次回のステータス変更で、状況がより明らかになるでしょう。


こちらの記事もお勧めです:

オープンアクセスフィーについて

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論文の投稿先の候補と考える、権威あるジャーナルのHPを見たところ、オープンアクセス料が$2800とありました。国内の雑誌にしか投稿したことがなく、価格に驚いてしまったのですが、国際的には一般にこの値段は妥当なのでしょうか?

回答

オープンアクセス(OA)ジャーナルでの論文出版にかかる費用は、論文掲載料(article processing charges、APC)と言います。ゴールドOAモデルでは、この費用を著者、著者の所属先、助成団体が負担するのが一般的です。APCの金額はジャーナルや出版社によって異なります。今回の$2800という額はやや高額な部類に入ると思いますが、決して法外な金額ではありません。


SciELOによる2013年のあるブログ記事によると、最大手のOAジャーナル出版社であるBioMed CentralとPLOSが査読付き論文の出版に課しているAPCは、1350~2250ドルです。より高名なジャーナルで出版する場合、2700~2900ドル程度必要になることもあります。また、記事によると、ヘルシンキ大学とミシガン大学が行なった共同研究では、OAジャーナル1370誌で2010年に出版された10万本以上の論文を調査したところ、APCは8~3900ドルの範囲であったということです。


関連記事:

トランプ大統領の入国規制で科学界の懸念深まる

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トランプ大統領の入国規制で科学界の懸念深まる

トランプ大統領は、就任後2週間も経たないうちに、イスラム教国7ヶ国の国民に対して90日間ビザの発行を禁止する大統領令に署名しました。この決定により、米国で働いているこの7ヶ国出身の学術関係者たちは、パニックに陥りました。

米国のドナルド・トランプ大統領は、就任後2週間も経たないうちに、イスラム教国7ヶ国(イラン、イラク、リビア、ソマリア、シリア、スーダン、イエメン)の国民に対して90日間ビザの発行を禁止する大統領令に署名しました。トランプ大統領はこの対応について、自国をテロ攻撃から守るための安全防護対策であるとしています。この決定により、米国で働いているこの7ヶ国出身の学術関係者たちは、パニックに陥りました。


研究開発をリードする米国には、例年、海外から学生や研究者が多く訪れます。しかし、今回の大統領令により、入国を禁じられた国々の多くの研究者や学生たちが中ぶらりんの状態になりました。母国への帰国が許されない人々もいれば、米国に入国するための書類が無効になり、空港に留まったままの人々もいました。学術関係者らは、今後のキャリアや人生に漠然とした不安を抱え、この敬意を欠いた決定に、不公平感を抱いているようです。カーネギーメロン大学経済学部のマリアム・サイーディ(Maryam Saeedi)助教は、次のように述べています。「 この国で生産活動を行なってきた我々は、ある日突然このような仕打ちを受けました。私たちはテロリストとみなされているのです」。


この決定は、米国での科学研究活動にさまざまな悪影響をもたらすでしょう。入国を禁じられた国々の研究者は、米国で開催される学会に参加できなくなります。アムステルダム大学天体物理学者のセルマ・デ・ミンク(Selma de Mink)氏は、自分が指導する博士課程の学生が、予定されていたカリフォルニアでの講演を実施できないだろうと明かし、学生のキャリアに影響が及ぶことを心配しています。政治的な混乱を理由に米国を永久に去ることを考えている学術関係者もいます。MIT博士課程在籍中でイラン出身のネオ・モーセンバンド(Neo Mohsenvand)氏は、苦境に直面している研究者たちの心情を次のように代弁しました。「イランもさまざまな問題を抱えていますが、少なくとも米国よりは希望を持てるのではないかと思います。この国でこれから何が起きるのか、想像もつきません」。


また、大統領令に反対する7000人以上の学術関係者(40人のノーベル賞受賞者を含む)が、「Academics Against Immigration Executive Order(学術界は入国禁止令に反対する)」と題した公開質問状に署名。今回の大統領令を「非人道的で、無益で、非アメリカ的」であるとした上で、「高等教育および研究に関する米国のリーダーシップが著しく損なわれる」と警告しています。また、アースデイ/地球の日(4月22日)には、ワシントンDCで「科学への情熱と科学界の支援・保護」を呼びかけるデモ、マーチ・フォー・サイエンスが研究者たちによって行われました。このデモは、同様の集会を計画していた欧州8ヶ国の科学コミュニティによる支援を受けて実施されたものです。


米国における科学情勢は、混乱の渦中にあると言えます。トランプ氏が大統領候補であったときから、学術界では懐疑的な見方が多くありましたが、今回の大統領令によって、両者の溝はより広がりました。同令の改正を求める科学界の取り組みがどのような結果を生むのか、今後の動向に注目しましょう。


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Trump's immigration ban is already having a chilling effect on science

European researchers spin off sister marches for science in at least eight countries

査読依頼が拒否された場合、編集者の判定に影響はありますか?

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Question Description: 

2016年7月19日に、APLに論文を投稿しました。現在1人目の査読が完了し、次の査読者へ依頼が送られている段階です。その間、査読を3人に拒否されているため、不安を感じています。査読の拒否は、編集者による判定に影響するのでしょうか?

回答

査読を拒否する理由はさまざまです。多くの場合、本業が忙しすぎる、すでに別の論文を査読中である、などの理由が挙げられます。ホリデーシーズンであることも原因となるかもしれません。あるいは、査読候補者が論文のテーマにあまり詳しくない場合も拒否の理由になります。したがって、一般的に、査読の拒否と論文の質には何の関係もありません。編集者の判定に影響することは決してないので、3人に拒否されたことで編集者がネガティブな印象を抱くのではないかといった心配は無用です。

研究背景の書き方を教えてください。

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Question Description: 

論文の背景を書くためのガイドラインのようなものはありますか?

回答

論文の序論で、必ず研究の背景について述べる必要があります。ここで研究テーマについて説明し、当座の課題の前後関係をはっきりさせましょう。また、詳細な文献レビューを行い、テーマに関して先行研究で述べられていることを説明した上で、最近の動向を述べ、自分の研究に繋がる先行研究の隙を特定してください。さらに、研究対象の課題を説明し、先行研究の中でその課題が何らかの形で検討されてきたかどうかについても簡単に触れましょう。ここから、リサーチクエスチョンと目的に繋げてみてください。

以下の記事も参考にしてください:

「再現性の危機」― 検証プロジェクトで浮き彫りに

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「再現性の危機」― 検証プロジェクトで浮き彫りに

再現性検証プロジェクトが、再現を試みた5本の論文についての結果を発表し、生物学界に嵐を巻き起こしています。今回の結果は、再現に成功したのは5本中2本だけで、残りの1本は再現不可能、2本は「解釈不能な結果」というものでした。

Reproducibility Project: Cancer Biology(再現性検証プロジェクト: がん生物学)が、最初に再現を試みた5本の論文についての結果を発表し、生物学界に嵐を巻き起こしています。eLife誌に掲載された今回の結果は、再現に成功したのは5本中2本だけで、残りの1本は再現不可能、2本は「解釈不能な結果」というものでした。


出版論文の再現を試みたのは、同プロジェクトが初めてではありません。2012年には、バイオテクノロジー企業のアムジェンが、がん研究に関する画期的な研究論文53本のうち、47本の再現に失敗したことを報告しています。この取り組みに触発されたScience ExchangeCenter for Open Science が主体となって、再現性検証プロジェクトが発足しました。同プロジェクトは、2010~2012年に出版された前臨床段階にある影響力の大きい論文29本の再現性の検証を目的としています。また、アムジェンのプロジェクトとは異なり、再現性検証プロジェクトによる結果は無料で公開されます。


今回のプロジェクトで検証された論文とその結果を、以下に紹介します:

  • 再現に成功した論文:

Discovery and preclinical validation of drug indications using compendia of public gene expression data」スタンフォード大学計算生物学者、アトゥル・ビュート(Atul Butte)氏ら

BET Bromodomain inhibition as a therapeutic strategy to target c-Myc」ダナ・ファーバーがん研究所、コンスタンティン・ミトシアデス(Constantine Mitsiades)氏ら

  • 解釈不能な結果に終わった論文:

「 Melanoma genome sequencing reveals frequent PREX2 mutations」ダナ・ファーバーがん研究所、ペタル・ストヤノフ(Petar Stojanov)氏ら

The CD47-signal regulatory protein alpha (SIRPa) interaction is a therapeutic target for human solid tumors」スタンフォード大学幹細胞生物学者、アーヴィン・ワイズマン(Irving Weissman)氏ら

  • 再現不可能と断定された論文:

Coadministration of a tumor-penetrating peptide enhances the efficacy of cancer drugs」サンフォードバーナムプレビス医学研究所(カリフォリニア州)がん生物学者、エルキ・ルースラーティ(Erkki Ruoslahti)氏ら


同プロジェクトは、出版論文の方法論の詳細が不足していることを明らかにでき、また表面的な結果を鵜呑みにしないよう研究者を啓発できるとして、生物学者をはじめとする多くの研究者が支援を表明しています。一方、生物学研究は複層的に込み入っているため、再現が極めて難しいということを強調する研究者もいます。そうした研究者は、再現実験に失敗した研究が永久に再現不可能なものとして扱われることに懐疑的な見方を示しています。同プロジェクトのアドバイザーを務めるスタンフォード大学(カリフォリニア州パロアルト)の疫学者ジョン・イオアニーディス(John Ioannidis)氏は、今回の結果を次のように総括しています。「分かったのは、再現性の問題が確かに存在するという事実です」。


参考資料:

Rigorous replication effort succeeds for just two of five cancer papers

Cancer reproducibility project releases first results


修正論文の査読期間は通常どれくらいですか?

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Question Description: 

2016年4月2日に、著名なジャーナルに論文を投稿しました。80日後、査読者2人からの詳細コメントと共に「major revisions(大幅修正)」判定を受けました。修正論文を7月20日に投稿し、7月23日にステータスが「under review(査読中)」に変わって以来、2016年9月10現在まで変化がありません。修正論文の査読期間は投稿後30日以内というのが一般的のようですが、私はどうすればいいですか?

回答

修正論文の査読は、初回よりも早く終わることが期待できます。なぜなら、修正版は、その論文をすでに読んだことがある初回投稿時の査読者に回されるのが一般的だからです。


一方で、査読の遅延も良くあることです。多くの査読者が休暇中である時期なら、なおさらでしょう。信頼のおけるジャーナルのようですし、心配する必要はないと思います。どうしても気になる場合は、査読がいつ頃終わる見込みかを編集者に丁寧に問い合わせてみてください。そうすれば、編集者が査読者にリマインダーを送るなどして、プロセスのスピードアップを促してくれるかもしれません。

症例報告について教えて下さい

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Question Description: 

過去に症例報告した症例で、その後の治療に関して再度報告したいと考えています。このような場合は二重投稿にあたるのでしょうか。また投稿しようとする場合に気をつける点などありますでしょうか。

回答

まずは、この症例報告について再び報告することの妥当性を確認しましょう。また、以前の報告の補足として報告するのか、修正として報告するのかを確認しましょう。もし、その後の治療が過去の治療の延長に過ぎないものなら、再度報告するメリットはとくになく、サラミ出版とみなされる恐れがあります。サラミ出版とは、1報の研究論文を「出版可能な最小単位」に切り分け、同じ研究から得られた複数の結果を別々に報告する行為のことです。同じ母集団、方法、リサーチクエスチョンで複数の論文を作成することは非倫理的な行為とみなされ、それらの論文一式をサラミ論文といいます。


しかしながら、関連研究やフォローアップ研究のすべてが非倫理的とみなされるわけではありません。その後の治療について報告する意義があると考えるのなら、過去の症例報告の第二部として発表することが可能です。その場合、出版済みの報告を引用した上で、今回の報告はその後の治療について述べるものだということを明確にする必要があります。また、関連トピックに関する出版済み論文があることをカバーレターに明記し、論文投稿時に、その論文のコピーを添えましょう。


次の記事もおすすめです:

「サラミ法」に隠れた危険:出版の量ではなく質を重視する

ソーシャルメディア時代の論文宣伝方法

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ソーシャルメディア時代の論文宣伝方法

このソーシャルメディア時代に論文を広く伝えるためには、熾烈な競争を勝ち抜く必要があります。膨大な情報の海からたった1つの論文を認識してもらうのは、至難の業。そのような中、もっとも簡単で効果的な手段の1つが、SNSの活用です。この記事では、SNSの活用についての概要を紹介すると共に、自己宣伝を行うためのヒントとその効果を説明します。

[本記事はウォルターズ・クルワー(Wolters-Kluwer)社の著者向けニュースレター、Author Resource Reviewに掲載されたものを、許可を得てここに再掲載したものです。

本記事はウォルターズ・クルワーのアソシエート・パブリッシャー、ジュリー・レンファー(Julie Rempfer)氏が執筆したものです。同氏は看護およびヘルスケアマネジメントに関する複数のジャーナルを担当しており、ソーシャルメディアを積極的に活用するストラテジストとしても活躍しています。Twitterアカウント: julierempfer@twitter.com

 


このソーシャルメディア時代に論文を広く伝えるためには、熾烈な競争を勝ち抜く必要があります。2014年時点で、世界に存在する査読付き学術誌は34,000誌、論文出版点数は年間250万本でした。1無数のニュース記事、e-ニュースレター、ブログ記事、マルチメディアコンテンツ(動画、ポッドキャストなど)という膨大な情報の中から、たった1つの論文を認識してもらうのは、至難の業です。公開されているすべての情報に一人の人が目を通すことは不可能なので、出版社の宣伝を著者が自分で後押しする重要性が高まっています。そのような中で、もっとも簡単で効果的な手段の1つがSNSの活用です。この記事では、SNSの活用についての概要を紹介すると共に、自己宣伝を行うためのヒントとその効果を説明します。


自己宣伝プランを立てる

論文の宣伝プランを立てる前に、まずはターゲット層を定め、その層の興味を惹くのに適したプラットフォームを決めましょう。次のように自分に問いかけてみてください。論文を、Facebookで繋がっている同業者にシェアしたいか?家族や友達に見てもらいたいか?同僚や、研究関連の知り合いと繋がっているのはLinkedInとTwitterのどちらか?学会参加時に、専用のハングアウトアプリやネットワーキングツールを持っておきたいか?個人的に、または仕事用に利用したいと考えているその他のソーシャルメディアプラットフォーム(Instagram、Snapchat、Pinterest、Reddit、GooglePlusなど)はあるか?


「誰に」、「どこで」、という問いを自分の中で吟味してみると、すべてのプラットフォームで論文を宣伝する必要はないことが分かってきます。より重要かつ効果的なのは、的を絞り、プランをよく練ることです。


論文を宣伝したいプラットフォームが決まったら、次のステップは、宣伝文句を考えることです。論文を誰よりも理解しているのは、著者であるあなた自身です。論文の新規性、オリジナリティ、エキサイティングな点、時間を割いてそれを読むべき理由を、説明しましょう。また、あなたの専門性や、その論文・プロジェクト・研究などに注ぎ込んだ時間と労力をアピールしてもよいでしょう。以下の例文を参考にしてみてください。「My article on XYZ, published in Journal XYZ, discusses a breakthrough in something amazing. Peers, please read and let’s discuss implementation.(XYZ誌に掲載されている拙著論文「XYZ」は、ある画期的な大発見についてまとめたものです。研究者の皆様、一度お読み頂いて、意見交換ができれば幸いです)」。発信するターゲット層によって、異なるメッセージを考えましょう。家族や友人に伝える場合は、より反応しやすいシンプルな文章がいいでしょう。「This is what I’ve been doing for the past 6 months (これが、私がこの半年間取り組んできたことです)」。このような文章に、論文のリンクを貼り付けましょう。


ハッシュタグ

ツイートにハッシュタグを付けると、何も付けない場合に比べて2倍の反応が得られることが分かっています。2 ハッシュタグ(#)を付けると、その分野について情報を探している人々の検索網に引っかかり、あなたの投稿に直接導くことができます。例えば、FacebookかTwitterで#Zikaと検索してみると、「Zika」とうハッシュタグが付いた投稿/ツイートのみが表示されます。この検索結果は通常新しい順にソートされるので、最新の情報を得るのに役立ちます。学会の多くは専用のハッシュタグを持っているので、同業者との繋がりや論文を宣伝するための戦略的な方法として検討してみてください。一例として、医療情報管理システム学会(HIMSS)の2015年の年次大会では、開催後わずか2日間で、37,000件の#HIMSS15というハッシュタグが付いた投稿がありました。3 2016年の大会終了後10ヶ月が経っても、#HIMSS16のハッシュタグを使用したコミュニケーションが続いており、#HIMSS2017のハッシュタグ付きの投稿も2016年の夏時点で始まっています(HIMSS 2017は2017年2月開催)。関連するハッシュタグを付けるだけで、関連する話題の中に自分の投稿が置かれ、発見されやすくなるのです。


*ヒント: ハッシュタグの使用に不安がある場合は、www.Symplur.com/healthcare-hashtagsを参考にしてみてください。ここでは、医療分野で話題になっている学会、病状、疾患などの最新ハッシュタグやテーマの最新リストが掲載されています。付けられるハッシュタグの数に制限はないので、より多くのハッシュタグを付ければ、それだけ多くの検索に引っかかりますが、1投稿あたり2個程度に留めておくのが妥当でしょう。2


メンション

さらにもう一歩踏み込み、ハッシュタグを活用することで、フォローやリツイートを通して業界のトップを走る人を簡単かつ効率よく見つけ、交流を持つことができます。「@」を使用すると、同業者や新たに繋がった人に直接的にメンションすることができます。例えば、「@TopDoctor Nice to meet you at #ConferenceXYZ.(@TopDoctor、#ConferenceXYZでお会いできて光栄でした。)」といったシンプルな挨拶でも構いません。あるいは「Excited to present on #Topic at #Conference2016 with @TopDoc. Read my paper in @JournalAccount http://bit.ly/shortenedlink(#〇〇学会2016で@TopDocと共に#△△について発表できることを楽しみにしています。論文は@JournalAccount http://bit.ly/shortenedlinkで閲覧できます)」というように、共同研究を行なっていることや、論文が掲載されているジャーナルの情報を盛り込むこともできます。学会期間限定で、出版社が論文をオンラインで無料公開することを許可してくれる場合もあるので、これを有効活用できそうな場合は、学会前に一度出版社に相談してみるとよいでしょう。


*ヒント: www.bitly.comでは、URLを短縮したリダイレクトリンクを無料で作れるので、より多くの人を論文に導くことができます。また、Twitterでの文字数の節約と、リンクをクリックした人数の把握も可能になります。同様のサービスを提供しているサイトはほかにもありますが、簡単に使用できるbitly.comがお勧めです。リダイレクトリンクを用いて、あらかじめ(手書き、Eメール、ワード、文章作成アプリ、Twitter、Facebookなどによる)投稿の下書きを準備しておくという使い方もできます。こうしておくと、会話が活発になったときに、コピー&ペースト(または「投稿」ボタンを押す)だけで、タイミングを逃さずに投稿することができます。


オルメトリクスによる自己宣伝効果の追跡

オルメトリクス(Altmetrics)は、論文への注目度や会話などを、引用数以外のさまざまなソース(SNS、ブログ、ニュース記事など)を基にリアルタイムで追うことができる新たな指標です。過去2年分のジャーナルの引用数を基に算出されるインパクトファクターとは異なり、オルメトリクスは個々の論文を評価し、情報を不特定多数にリアルタイムで公開しています。重要な違いは、オルメトリクスが測定しているのは「注目度」であるという点です。そしてそれは、必ずしも良い意味での注目とは限りません。言及された回数によって算出されるオルメトリクスの注目度スコアでもっとも高い記録を残した論文の中には、虚偽や、大衆の興味を惹きやすいより一般性の高いテーマを扱ったものも含まれています。したがって、スコアが高いからといって、その論文が科学に多大な影響を与えたとは言えません。オルメトリクスに関する詳細情報や最新の動向は、www.WhatAreAltmetrics.comで確認できます。


ウォルターズ・クルワーでは、2016年の始めから、同社で扱うすべてのジャーナルウェブサイトと論文にオルメトリクス・バッジを導入しています。このウィジェットは、各論文ページの右側に配置されています(携帯端末でこの「ドーナッツ」型ウィジェットが見られない場合は、PC版サイトに切り替えてみてください)。このウィジェットを見ると、論文に関するツイート数や、Facebook、ブログ、ニュース、その他のソースで論文が取り上げられた回数を確認できます(自分自身、ジャーナル、編集者によるSNSでの宣伝活動も含まれます)。ウィジェット内の「See More Details(詳細を見る)」をクリックすると、スコアに対応する正確なツイート数、ブログ、ニュース、その他のコメント、地域別のコメント数が表示されます。また、各コメントに返答することもできるので、論文や研究に関連した会話が手軽に行えます。


オルメトリクスが登場して以来、著者によるSNS、ブログ、プレスリリースなどを活用した自己宣伝活動が、その注目度スコアと直接的に関連していることを実感しています。所属先が論文のプレスリリースを考えているなら、ウォルターズ・クルワーが新たに発行した機関向けプレスリリースガイドラインについて出版社に問い合わせてみてください。このガイドラインに沿えば、出版社のソーシャルメディア担当者とPRチームが、論文と所属機関への注目が最大化されるように、プレスリリースを適切に扱ってくれるでしょう。


オルメトリクスがどのようなものか、実際に見てみましょう。Journal of Developmental & Behavioral Pediatricsで最近出版された論文「Same-Sex and Different-Sex Parent Households and Child Health Outcomes: Findings from the National Survey of Children's Health(同性婚・異性婚の家庭が子供の健康に与える影響: 子供の健康に関する全国調査から明らかになったこと)」を例に挙げます。「See More Details(詳細を見る)」をクリックすると、一般社会、著者とその所属先、SNS上での会話、ニュース記事へのリンクなど、さまざまなソースからのコメントを確認できます。この論文にどれほどのインパクトがあり、ポジティブな反応があったかが分かると思います。


最後になりますが、ソーシャルメディアを活用してできることや、今回紹介できなかったプラットフォームは、ほかにもたくさんあります。これらのプラットフォームについての知識を広げ、オンラインで自分の論文を広める方法を模索していきましょう。


参考資料

1. Ware M, Mabe M. The STM Report: An overview of scientific and scholarly journal publishing. 4th edition. 2015. http://www.stm-assoc.org/2015_02_20_STM_Report_2015.pdf.

2. Buffer KL. How to use hashtags: How many, best ones, and where to use them. 2015. https://blog.bufferapp.com/a-scientific-guide-to-hashtags-which-ones-work-when-and-how-many.

3. Taken from a post on Twitter from @HIMSS 4/14/15.

包括的な参考文献リストには何を含めるべきですか?

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Question Description: 

どの論文を引用するかでいつも悩んでいます。たとえば、ある疾患に関する特定の遺伝子の研究の場合、その遺伝子に関するすべての論文を含めるべきですか?先行研究の中には、1970年代に発表されたものや、サンプル数や研究デザインが十分でないために説得力に欠けるものもあります。科学的説得力のある、妥当なものだけを選び、ほかは無視しても良いものでしょうか?あるいは、原著論文ではなく、テーマに関連する良質のレビュー論文も引用するべきですか?

回答

まずは、投稿するジャーナルの投稿規定を読み、引用する文献の数や方法についての指定がないかどうかを確認しましょう。参考文献数の上限が設定されていたり、論文の種類によって異なる方針が採用されていたりすることもよくあります。たとえば、レビュー論文や原著論文では多くの参考文献が求められますが、編集者へのレターやオピニオン論文では比較的少なめでも問題ありません。


包括的な参考文献リストとして、テーマに関連するすべての論文を含める必要はありません。リサーチクエスチョンの理解が明確になるような、関連性の高い適切な論文を選びましょう。テーマに関するこれまでの知見を序論で説明し、その説明を補強するために参考文献を引用します。1つの見解ごとに、最低1つの文献を引用して説明するようにしましょう。こうすれば、包括的な文献リストを作ることができます。


また、古い論文であっても、それが重要であれば引用しましょう。こうすることで、査読者から、最近の情報ばかりでなくテーマに関して幅広い知識を持っているという印象を持ってもらえます。最後に、2つのご質問について、以下にまとめて回答します。テーマに関する論文をすべて引用するのは現実的でないので、説得力のある論文のみを選ぶことには何の問題もありません。また、二次研究よりは一次研究を引用することが望ましいでしょう。レビュー論文を引用しても構いませんが、この場合は、その著者の見解を引用したいときだけに留めておきましょう。アイデアの引用を行う場合は、原著論文(一次研究)を使用してください。

Major revision になった論文の取り下げ

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Question Description: 

Major revisionになった論文を別の論文へ投稿することは問題ないですか?全てのコメントについて対応できる場合は提出することを勧めると書かれていました。対応可能な部分が多いですが、あえて別雑誌へ投稿したいと思います。その際のカバーレターにはなんと書いて送ればいいでしょうか?

回答

査読者に提案されたコメントへの対応が可能なのに、別のジャーナルへの投稿を希望するという点が、少々解せません。査読者は貴重な時間を割いて査読にあたっているので、査読後の論文を取り下げることは、あまり好ましくありません。リジェクトされるという明確な根拠がない限り、論文を取り下げるべきではないでしょう。別のジャーナルでも審査プロセスには長い時間を要しますし、そこでリジェクトとなれば、さらに多くの時間を費やすことになります。


しかし、どうしてもという場合は、ジャーナルに取り下げの申し出を行うことは可能です。ただし、取り下げ承認の連絡をもらうまで、次のジャーナルへの投稿は待ちましょう。さもないと、二重投稿とみなされる恐れがあるためです。


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