Question Description:
半年ほど前に出版した論文の結果に対し、同じ分野の専門家から疑問が提示されました。ある条件にミスがあったかもしれず、結果が完全に誤っている可能性があります。どうしたらいいでしょう?
Answer:
科学に誤りはつきもので、その誤りが時には分野の進歩を助けることにもつながります。研究結果に反論が出たことで、健全な議論が行われ、同じテーマでの追跡(フォローアップ)研究が促されるかもしれません。結果が反証されたからといって落胆する必要はありません。研究過程ではよくあることだと考えましょう。
しかし、誤りに気づいたのですから、あなたにはジャーナルにそのことを伝える責任があります。自らジャーナルに伝えれば、誠意を示すこともできます。重大な誤りでなければ、正誤表(erratumあるいはcorrigendum)で対処することができるでしょう。しかし、重大な誤りである場合は、あなたとジャーナル編集者で協議の上、撤回となる可能性もあります。
学問的誠実性(academic honesty)は科学界で高く評価されます。いま訂正しなければ、いつかまた別の人があなたの研究結果に異議を唱えるかもしれず、そうすれば専門家としてのあなたの評判に傷がつくことになります。さらなる痛手を避けるには、正直になるのが一番です。