非営利の生体データレポジトリである英国バイオバンクが、世界最大の内臓スキャン画像のデータベース構築計画を発表しました。このプロジェクトでは、磁気共鳴画像法(MRI)などの標準的な技術を用いて心臓・脳・脂肪・骨・動脈の画像を集め、癌、認知症などの発症のメカニズムや原因について理解を深めることを目的としています。
非営利の生体データレポジトリである英国バイオバンク(UK Biobank)が、世界最大の内臓スキャン画像のデータベース構築計画を発表しました。このプロジェクトでは、磁気共鳴映像法(MRI)などの標準的な技術を用いて心臓・脳・脂肪・骨・動脈の画像を集め、癌、認知症などの発症のメカニズムや原因について理解を深めることを目的としています。
英国バイオバンクは、「生命に関わる重度の疾病の予防・診断・治療を改善すること」を目的として、ウェルカム・トラストの医療慈善事業部と医療研究評議会(Medical Research Council)によって2006年に設立されました。血液やDNAサンプル、生活習慣や身体活動レベルに関する情報など、現在までに15万人からデータを収集しています。4300万ポンドを投じる今回の新規試験プロジェクトでは、健康な人と健康に問題のある人の両方を含めた35万人のボランティアにスキャンを実施する計画です。得られた情報からは、発病のきっかけとなる危険因子と、病気の進行を阻止するためのこれらの因子の管理方法について、新たな洞察と視点を獲得できることでしょう。
プロジェクトに対する見解を述べたインペリアル・カレッジ・ロンドンのポール・マシューズ(Paul Matthews)教授は、「得られたデータは新しい治療法の発見に役立つでしょう。例えば、アスピリンが癌の予防に有効だと分かったように、すでに我々の周りにあってもその有効性が認識されていない事柄の発見につながると思います。とてもエキサイティングな取り組みです」と語っています。本プロジェクトのデータレポジトリは、全世界の研究者が利用することができます。
参考記事:
U.K. begins world's largest biomedical imaging study
UK Biobank launches world's biggest body scanning project
World's largest medical imaging study will scan 100,000 Britons