オープンアクセス誌をまとめたサイトであるDOAJは、品質管理が甘いと批判されてきました。この批判を受け、ディレクトリに登録されている全ジャーナルに対し、より厳格な新しい選択基準を満たした上で再登録を行わなければならないとの宣言が出されていました。
オープンアクセス誌をまとめたサイトであるDirectory of Open Access Journals(DOAJ) は、不審な出版社や活動実態のない出版社がディレクトリに含まれないようにするため、3300誌の登録を除外したと発表しました。
1万誌以上のオープンアクセス(OA)誌が含まれるDOAJは、品質管理が甘いと批判されてきました。DOAJのマネージング・ディレクターであるラース・ビヨルンスハーグ(Lars Bjørnshauge)氏はこの批判を受け、2014年、ディレクトリに登録されている全ジャーナルに対し、より厳格な新しい選択基準を満たした上で再登録を行わなければならないと宣言しました。これは、そうしたプロセスを通じて不審なジャーナルをあぶりだそうという試みでした。しかし、何度もリマインダーを出したにもかかわらず、多くのジャーナルが再登録の手続きを行いませんでした。その結果、それらのジャーナルはDOAJから削除されました。
DOAJのコミュニティ・マネージャーであるドミニク・ミッチェル (Dominic Mitchell) 氏によると、再登録しなかったジャーナルの多くは、米国に拠点を置いていると主張しています。しかし同氏は、実際にはこれらのジャーナルは他国で運営されているのではないかと考えています。ビヨルンスハーグ氏は、再登録しなかったジャーナルのすべてが「ハゲタカ」であるわけではないだろうと述べています。「その中の何誌かは、再登録に必要な情報の提供に不慣れだった」可能性もあると考えています。また、再登録の申し込みを行なった6700誌については、必要基準を満たす見込みであると述べています。
質の低いジャーナルを除外しようというDOAJの試みは、多くの図書館員や研究者から歓迎されています。しかし、DOAJの「優良OA誌リスト」は出版社の提供するデータに基づいているため、ジェフリー・ビオール(Jeffrey Beall)氏などは、中には怪しげな出版社も含まれているのではないか、と疑問を投げかけています。
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