学術誌『米国科学アカデミー紀要(PNAS)』の概要と投稿時のアドバイスをご紹介します。同誌は科学の全領域(物理科学・社会科学・生物科学)に関する論文を年間3000本以上掲載しており、論文はすべて「幅広い科学者層に分かりやすく」書かれていることが必要とされます。
目的と対象領域 | 米国科学アカデミー紀要(PNAS, Proceedings of the National Academy of Sciences)は、科学の全領域(物理科学・社会科学・生物科学)に関する論文を年間3000本以上掲載。論文はすべて「幅広い科学者層に分かりやすく」書かれていることが必要とされる。 |
出版元 | 米国科学アカデミー(National Academy of Sciences) |
発行頻度 | 週刊(年52号発行、52号で1巻) |
編集体制 | 編集長:インダー・バーマ(Inder Verma)氏/ソーク生物学研究所遺伝学研究室(米カリフォルニア州ラホヤ)。アメリカ癌学会分子生物学教授。主な研究分野はがん遺伝学と遺伝子治療。 共同編集者:10名 編集委員会: 多数の委員で構成され、人類学からサステイナビリティ学までの31領域を網羅している。 |
出版基準
「最先端の研究」を掲載しており、論文には「顕著な科学的重要性」が求められる。掲載される論文カテゴリーは以下の通り:研究レポート、レター、フロント・マター(Front matter)、コメンタリー、視点、コロキウム論文。最初の2カテゴリー以外はすべて編集委員会からの依頼によって執筆される。
編集方針と投稿規定
論文は、論文投稿システム(PNAS Manuscript Submission System: www.pnascentral.org/cgi-bin/main.plex)からオンライン投稿する。新規利用者は初回登録が必要。
論文原稿の準備に関する詳細:www.pnas.org/site/authors/procedures.xhtml
査読プロセス
各論文には、ジャーナルが指定する31の領域・分野のいずれかに所属するPNAS編集委員1名が担当者として割り当てられる。最初の予備審査を通過すると、専門の査読者を選んでそのコメントを評価するメンバー編集者(Member Editors)に引き継がれる。最終判定は編集委員が行う。
査読のプロセスを詳しく示したインフォグラフィック:www.pnas.org/site/misc/reviewprocess.pdf
出版方針
審査過程は迅速で、最初の決定までの期間は約40日。アクセプトされてからオンライン出版されるまでの期間は平均1ヶ月。投稿から出版までの期間(印刷版を含む)は平均6ヶ月以内。PNASの論文は、出版後6ヶ月を経過すると無料でアクセス可能となる。その他のコンテンツは、さらに早く無料閲覧が可能となるものも多い。
著者からのよくある質問:http://www.pnas.org/site/aboutpnas/faq.xhtml
インデックスとランキング
インパクトファクター:9.423((2014年)
便利なリンク集
ジャーナルのウェブサイト:www.pnas.org
著者向けガイドライン:www.pnas.org/site/authors/index.xhtml
編集委員会:www.pnas.org/site/misc/masthead.xhtml
査読プロセスを詳しく示したインフォグラフィック:
www.pnas.org/site/misc/reviewprocess.pdf
論文原稿の準備に関する詳細:www.pnas.org/site/authors/procedures.xhtml