タンパク質工学の分野で論文を出版したいと思っています。研究の計画やアイデア自体は私自身が考えたものですが、実験の一部は別の研究室に協力してもらいました。しかし、論文のもっとも重要な実験は、私が依頼してから1年が経過した現在も行われておらず、共著者として彼らの名前を載せるかどうかで悩んでいます。名前を載せるほどの貢献はしていないのではないかと感じています。論文には、彼らの研究室で得られたデータと、自分の研究室で得られたデータの両方が使われており、別の共著者のレビューも受けています。指導教官は彼らの名前を載せるべきだと主張しているのですが、どうすればよいでしょうか?
オーサーシップについては多くの議論があり、経験豊富な研究者でも明確な認識を持っていないこともあります。国際医学雑誌編集者会議(ICMJE)は、研究への協力者について、共著者として扱うのか謝辞のセクションで触れるに留めるのかを判断するための一連のガイドラインを設けています。このガイドラインでは、以下の4項目すべてに該当する場合に限り、オーサーシップを与えてもよいと定めています:
- 研究のコンセプトやデザインの設定、またはデータの取得・分析・解釈に大きく寄与した
- 論文の重要な知見となる部分を執筆またはレビューした
- 投稿する論文に最終的な承認を与えた
- 研究の責任を負うことに同意した
ガイドラインには以下の記述もあります:
「以上の4項目すべてに該当しない場合、著者としての資格はないものの、謝辞には含まれるべきです…(中略)…オーサーシップの資格がない場合も、個人または団体として、どのような立場(臨床試験実施者、協力研究者など)で、論文にどのように寄与したか(科学アドバイザーとして、研究プロポーザルのレビュー、データ収集、被験者のコーディネート、論文の執筆・編集協力など)を明記して、謝意を示しましょう」。
今回のケースでは、外部の研究室はあくまでも実験で協力しただけで、知的貢献を果たしたわけではないので、オーサーシップの資格はありません。この点について指導教官とよく話し合い、謝辞のセクションで謝意を示すのみに留めることを提案しましょう。
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