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リサーチクエスチョンは論文のどのセクションに含めればいいですか?

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Question Description: 

「リサーチクエスチョン(研究課題)」の重要性を意識しながら、課題ステートメントを作成しました。しかし、これを論文のどのセクションに入れればいいのか分かりません。課題ステートメントは、論文のどの部分に含めるべきですか?

回答

論文は一般的に、「イントロダクション」、「方法」、「結果」、「考察」のセクションに分けられ、IMRADと呼ばれる形式で構成されます。リサーチクエスチョン、目的、仮説は、研究の文脈を説明したり、他でもないそのテーマを選んだ理由を説明したりするのに必要な要素です。したがって、リサーチクエスチョンは「イントロダクション」のセクションに含まれるべきものです。イントロダクションを書くときは、最初に研究の背景を説明し、それから先行研究のレビューを行いましょう。リサーチクエスチョンはその後に述べるのが一般的です。つまり、リサーチクエスチョンは通常、イントロダクションの最後に含まれるということです。

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Editorial Managerで著者の貢献度を把握するための「CRediT」活用法

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Editorial Managerで著者の貢献度を把握するための「CRediT」活用法

論文への著者の貢献度は、著者名順で判断できる場合もありますが、通常は、相対的な貢献度を正確に判別することは困難です。CRediTThe Contributor Roles Taxonomy)では、「概念化」、「データ整理」、「執筆」などのあらかじめ定義された役割をもとに著者の貢献度を確認することで、この問題の解決を目指しています。

[本記事はウォルターズ・クルワー(Wolters-Kluwer)社の著者向けニュースレター、Author Resource Reviewに掲載されたものを、許可を得てここに再掲載したものです。著者はジョスリン・コラー氏(Jocelyn KollerAries Systems Corporation、マーケティングスペシャリスト)です。]


論文への著者の貢献度は、著者名順で判断できる場合もありますが、通常は、相対的な貢献度を正確に判別することは困難です。CRediTThe Contributor Roles Taxonomy)では、「概念化」、「データ整理」、「執筆」などのあらかじめ定義された役割をもとに著者の貢献度を確認することで、この問題の解決を目指しています。Editorial Managerで論文が投稿された際、ジャーナルは、任意でCRediTの役割を著者に選択させることができます。この記事では、The Journal of Bone and Joint SurgeryJBJS)誌によるCRediTの導入と、それによる著者とジャーナルへの影響について考えます。


CRediTとは?


CRediTは、論文への著者の貢献度を具体的に示すためのものです。これまでは名前の記載順で貢献度を測ってきましたが、この方法は透明性と精度の面で不十分だったため、助成団体も研究者も、現代の研究に必要な役割が反映された、一貫性のある測定方法を必要としていました。そんな中、Cell Pressのガブリエル・ハープ氏(Gabriel Harp)が率いる ハーバード大学とウェルカム・トラストとの共同ワークショップで著者の役割14種が定義され、CRediTの分類法が完成しました。
 

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役割

定義

1

概念化

Conceptualization

アイデア化:研究全体の目標・目的の設定、展開。

2

データ整理

Data curation

注釈付け(メタデータの生成)、データ整理、研究データ(データを解釈するのに必要ソフトウェアコードを含む)の管理。

3

形式的分析

Formal analysis

研究データの合成を目的とした統計学、数学、コンピュータ、その他の形式的技術を用いた分析。

4

資金獲得

Funding acquisition

論文につながる研究プロジェクトを実行するための財政支援の獲得。

5

調査

Investigation

研究、調査プロセスの実行。データ/エビデンスを収集するための実験。

6

方法論

Methodology

モデルなどの方法論のデザイン/開発。

7

プロジェクト管理

Project administration

研究活動の計画と実行に関する管理/コーディネーションに責任を負う。

8

リソース

Resources

研究素材、試薬、材料、患者、試験室試料、動物、器具、計算資源、その他の分析ツールの提供。

9

ソフトウェア

Software

プログラミングやソフトウェアの開発、コンピュータプログラムの設計、コンピュータコードやアルゴリズムの実装、既存コードのテスト。

10

指導

Supervision

研究チームへの指導を含む、研究活動の計画と実行について監督責任を負う。

11

バリデーション

Validation

プロジェクトの一環として、あるいは別のプロジェクトとして、結果/実験その他の研究アウトプットを複製/再現によって検証する。

12

可視化

Visualization

論文の準備、作成、または発表プロセスにおける視覚化/データの提示。

13

執筆原稿作成

論文の準備、作成、発表プロセスにおける、原稿の執筆(相当量の翻訳も含む)。

14

執筆レビューおよび編集校正

Writing – review & editing

論文の準備、作成、発表プロセスにおける、出版前後のレビュー、論評、修正。

CRediTによる分類(https://casrai.org/credit


Editorial Manager2016年にCRediTが導入されたことで、ジャーナルは、投稿プロセスの一環として著者の貢献度に関する情報を要求できるようになりました。責任著者がすべての著者の貢献度を選択して、共著者は、自分の貢献度を確認することができます。


Editorial Managerにおける、著者の役割の選択

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Editorial ManagerCRediTを最初に完全導入したのはJBJSでした。同社のエディトリアル・オペレーション・マネージャーのクリスティーナ・ネルソン氏(Christina Nelson)は次のように説明しています。「20177月に、JBJS誌およびJBJS Open Access誌限定で、論文投稿時に著者が任意でそれぞれの役割(貢献度)を選択できるシステムを試験的に導入しました」。 20181月には、JBJSの全6誌(JBJSJBJS Essential Surgical TechniquesJBJS Case ConnectorJBJS ReviewsJBJS Open AccessJBJS Journal of Orthopaedics for Physician Assistants)の投稿プロセスで、CRediTの提出を求めるシステムを導入しました。


JBJSによるこのシステム導入は、CRediTで定義された役割がどのように使われているかを知る貴重な機会となりました。たとえば、20175月から20183月の間にJBJS誌に投稿された論文でもっとも多く選択された役割は「執筆レビューおよび編集」で、「方法論」がそれに続く結果となりました。選択数がもっとも少なかったのは「ソフトウェア」でした。JBJS Open Access誌についても同様の傾向が見られました。

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ネルソン氏によると、CRediTの要求に対し、著者からの苦情や疑問はほとんど出なかったようです。また、ジャーナルのスタッフは、とくに複数の著者が関わる共著論文で、このシステムが役立っていると感じているようです。JBJSCRediTの導入以前、著者が6名以上いる論文には各著者の貢献度の詳細を示したカバーレターの提出を義務付けていましたが、CRediTを導入したことで、このプロセスがはるかに簡略化されました。ネルソン氏は次のように述べています。「このシステムによって、これらの情報を要求するプロセスが簡略化されました。また、すべての論文に対して著者の貢献度の情報を集めることで、透明性が促され、意識を高めることができています。個別にレターを要求する必要がなくなったことによる手順の合理化は、ジャーナルのスタッフにとって有益なことです。この単純なシステムは、一目で情報を把握することができるので、時間の節約にもつながっています。著者には教育ツールとして、そして編集者には共著論文を評価するための情報源として、CRediTを導入することをお勧めします。とくに外科では、名誉著者資格やゲストオーサーシップに関する問題が発生することが多いため、このシステムで各著者の役割を選択することで、著者資格への意識向上につながるのではないかと考えています」。


6誌にCRediTを完全導入したJBJSは、将来的には読者にとってのCRediTの価値を検討していきたいと考えているようです。ネルソン氏はこうも述べています。「CRediTは、現時点では著者と編集者のためのものです。将来的には、著者の役割を出版論文に記載するなどして、より読者に寄り添ったものにしていきたいと考えています」。


参考資料

  1. Aries Systems Corporation. Editorial Manager CRediT Integration. 2017. www.ariessys.com/wp-content/uploads/CRediT-FAQ_8.5x11.pdf.
  2. Aries Systems Corporation. Implementing CRediT: An interview with Cell Press’s Gabriel Harp. 2016. www.ariessys.com/views-press/news-opinion/implementing-credit-an-interview-with-cell-presss-gabriel-harp.
  3. Casrai. CRediT. 2018. https://casrai.org/credit.
  4. Harvard University. Report on the International Workshop on Contributorship and Scholarly Attribution. 2012. http://projects.iq.harvard.edu/files/attribution_workshop/files/iwcsa_report_final_18sept12.pdf.

Resubmissionの対応について

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Question Description: 

つい先日、投稿していたジャーナルから査読結果がきました。 結果は、リジェクトでしたが、下記のような文面で再投稿を推奨されました。文面を読む限り、再投稿をした方が良い結果に繋がりそうな気がします。 別の雑誌に投稿しようとも考えていましたが、もう一度修正をして再度チャレンジをしたほうがよろしいでしょうか。 Based on this evaluation, the Editorial Board has determined that your submission has merit but is not suitable for publication in its present form in Archives. The reviewers and I found your paper intriguing but were concerned that a number of significant issues need to be resolved before acceptance for publication could again be considered. Some appear relatively minor. While others may be more difficult, you may be able to address them. If you choose to do so, note that the revised paper should be submitted as a new submission (under the Article Type "Resubmission (w/ previous manuscript #)") in the manner outlined later in this letter. If you choose to resubmit the manuscript, please submit as a new submission. Under the article type, in step 1 of the submission process, choose "Resubmission (w/ previous manuscript #)". In your cover letter, please 1) reference this manuscript ID number (2) include AN ITEMIZED LIST of the revisions in a Detailed Response to Reviewers for Resubmission. (3) Use continuous line numbering in the text and reference the revisions made by line number in the cover letter. (4) Highlight changes made in one copy of the manuscript text. Submit another copy with all changes accepted and not highlighted. Please add "marked copy" to the file name of the highlighted version and "clean copy" to the file name of the clean version. Submit both clean and highlighted copies under the category titled Manuscript without author identifiers. Both should remain blinded for the review process. お手数おかけしますが、ご助言のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

回答

おっしゃるとおり、編集者のメッセージからは、あなたの論文が査読コメントに従って十分に修正されれば、ジャーナルはその出版に関心を抱いているように読み取れます。査読者からの指摘に対応できそうだと感じるのであれば、別のジャーナルに新たに投稿するよりは、このジャーナルに再投稿する方を断然お勧めします。すでに一度査読を受けているので、このジャーナルでの判定プロセスは短くなるはずです。今回は、論文を修正して再投稿するのがベターではないでしょうか。ただし、その際は、編集者からのメッセージにある指示をすべて守るよう注意しましょう。

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査読後の査読者の追加と遅れについて

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Question Description: 

あるopen peer reviewのジャーナルに投稿しました。 2名の査読者ともminor revisonで、高い評価であり、こちらも反論はなかったので指摘どおりに修正しました。しかし再投稿から8ヶ月が経過しています。 その間2ヶ月に1回問い合わせを行っていますが「査読者を追加したいが、受けてくれる人が見つからないので待つように」という返事がずっと続いています。目処について聞いてもそれについては答えはなく、「section editorは遅れを理解していて、引き続き査読者を探しているので待つように」とだけ帰ってきます。追加の理由は「利益相反がある」というのですが、心当たりがありません。それに査読者を選んだのはeditorです。 最初の査読に完全に答えているのに査読者を追加されるのは納得がいきませんし、あてもなくただ査読者を探していると言われても、publishがどんどん遅れるばかりです。これに対してどのように対応するべきでしょうか。

回答

多くの場合、修正された論文は再び査読を受けることになります。通常は最初の査読者に送られますが、判定を下すためには新たな視点が必要だと編集者が感じれば、別の査読者に送られることもあります。今回の場合は、ジャーナル編集者が利益相反の存在を懸念していることが、別の査読者を探している理由として説明されています。

しかしながら、追加の査読者を積極的に探しているとは言え、8か月という期間は長すぎます。また、問い合わせへの回答がいつも同じということなので、このジャーナルにこれ以上時間を費やすのは無駄かもしれません。そろそろ、原稿を取り下げて別のジャーナルに投稿することを考えても良いと思います。最後にもう一度、「これ以上待てないので、査読者がすぐに見つかる見込みがなければ原稿の取り下げを検討する」という旨を伝えるメールをジャーナル編集者に送ってみましょう。それでも同じ回答なら、論文を取り下げることが得策かと思います。

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学術出版におけるオーサーシップを理解するための徹底ガイド

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学術出版におけるオーサーシップ(著者資格)は、とくに若手研究者にとっては複雑に感じられる概念ではないでしょうか。研究は複数の人で進められることが一般的なので、対立や不正を避けるためにも、オーサーシップの重要事項を理解しておくことは非常に大切です。ユタ大学のパトリシア・モートン氏(Patricia Morton)によるこの動画では、オーサーシップの基礎や、その過程で生じるオーサーシップ関連の問題とその回避方法を紹介しています。複数の著者が関わる研究プロジェクトを進める上で考慮すべき事柄について、この動画で理解を深めましょう。

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学術界におけるオープンアクセスへの意識:大規模著者アンケートの結果より

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学術界におけるオープンアクセスへの意識:大規模著者アンケートの結果より

登場して10年以上がたつオープンアクセス(OA)というコンセプトは、世界の出版の様相を徐々に変えてきました。OAに対する研究者の姿勢を理解することは、OAがどのように変容し、学術出版の様相をどう変えていくのかをあらゆる角度から捉える上で、欠かせないことだと言えます。

登場して10年以上がたつオープンアクセス(OA)というコンセプトは、世界の出版の様相を徐々に変えてきました。「オープンアクセス」という名が示す通り、それは、学術文献をペイウォール(有料の壁)の裏に隠しておく従来のスタンスから脱し、アクセスしやすいものにする試みでした。OAという概念が地歩を固めていくのに伴い、学術界では忠実な支持者が出てくる一方で、OAと学術出版の持続可能性に関する議論を経て、懐疑的な立場を示す人もいました。


世界中の学会、資金提供者、出版社がOAを受け入れ、義務化さえし始めている中で、あることが気にかかりました。OAに対する研究者の見方はどのようなものなのか?という点です。学術システムおよび学術出版システムの中核を成しているのは研究者です。したがって、OAに対する研究者の姿勢を理解することは、OAがどのように変容し、学術出版の様相をどう変えていくのかをあらゆる角度から捉える上で、欠かせないことだと言えるでしょう。


エディテージは最近、好評を得た報告書「学術出版に関する著者の視点:グローバル調査報告書2018(Author Perspectives on Academic Publishing: Global Survey Report 2018)を発表しました。これは、学術出版に関する幅広いテーマに関する7000人近い研究者の意見をまとめた、これまでにない報告書です。

この調査の一環として、著者にオープンアクセス誌での出版経験の有無とその理由を尋ね、回答を報告書にまとめました。その後、調査データを洗い直し、さまざまな地域の研究者たちがオープンアクセスをどう考えているのかについて、さらに考察を深めました。そこから見えてきたのは、OAに対する世界各地の著者の、貴重かつユニークな視点でした。そこで今回新たに、「オープンアクセスへの意識における地域的傾向:エディテージのグローバル調査報告書2018からの結果より(Geographic Trends in Attitudes to Open Access: Findings from the Editage Global Author Survey 2018)と題した報告書を発行する運びとなりました。


この報告書では、調査における主要7カ国(中国、ブラジル、日本、韓国、インド、米国、英国)の著者の意見がまとめられ、以下の点に関する考察が示されています:

 

  • OAに対する認知度の地域差
  • OA誌を選ぶ/選ばない理由に関する国別の傾向
  • OA出版モデルに対する中国人研究者ならではの見解


エディテージ学術コミュニケーション部門アソシエイトバイスプレジデントのクラリンダ・セレジョは、次のように語っています。「オープンアクセスの動きは、国ごとに異なるペースで進展してきました。今年9月にScience Europeが開始したPlan Sの取り組みを受け、出版界は、オープンアクセスがどのように変化していき、学術コミュニケーション環境をどう形作っていくのか、固唾をのんで見守っています。オープンアクセスに関する著者の全般的な意識は近年高まっていますが、著者アンケートの回答を国別に区分してオープンアクセスに対する見方を地域ごとの傾向と関連付けるのは、興味深い試みでした。得られた結果の中には、大変勉強になるものがありました。また、オープンアクセス方針を策定し改善していく上で、出版社や資金提供者にとって非常に役立つと思われるものも見られました」。


​​​​​​​報告書のダウンロードはこちらから:

所属について

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Question Description: 

論文掲載後、すぐに所属が変わった場合、訂正するべきでしょうか。

回答

一般的には、研究を支援し、研究活動の大半を行なった場を所属先とすべきです。その意味で、所属情報を訂正する必要はありません。ただし、所属情報には別の目的もあります。論文の著者と連絡を取りたい人が、著者の連絡先を知るという目的です。

所属が変わればメールアドレスも変わってしまうので、連絡を取りたい人にとっては不都合が生じるでしょう。ですので、ジャーナル編集者に所属先が変わったことを報告し、新しいメールアドレスを伝えておくのが賢明でしょう。

通常は、一度論文が出版されたら所属情報は変えられません。でも、編集者に所属先の変更を伝えれば、少なくとも読者に著者の最新のメールアドレスが分かるよう手配してくれるでしょう。

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ジャーナルのインパクトファクターの調べ方を教えてください。

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Question Description: 

ジャーナル「ISSN: 2157-7633」のインパクトファクターを教えてください。

回答

ISSN: 2157-7633は、「Journal of Stem Cell Research & Therapy」というジャーナルです。これは、ハゲタカ出版社の疑いがあるOMICSグループが出版しているジャーナルで、インパクトファクターは付いていません。

インパクトファクターが付与されているインデックスジャーナル(SCI/SCIE/SSCI)については、http://mjl.clarivate.com/に掲載されている各種リストを参考にしてください。データベースに登録されているジャーナルのウェブサイトを見れば、それぞれのインパクトファクターが載っています。

ご質問のジャーナルは、クラリベイト・アナリティクスのどのデータベースにも登録されていません。SCImagoにも掲載されていないため、SCImagoのランキングにも入っていません。

ジャーナルのインパクトファクターの調べ方や、ハゲタカジャーナルの判別方法については、以下の記事を参考にしてください:


政府機関の閉鎖によって科学機関に大きな暗雲: 米国

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政府機関の閉鎖によって科学機関に大きな暗雲: 米国

政府機関の予算案を巡る議会とトランプ大統領との対立により、米政府は、無期限で政府機関を一部閉鎖しています。活動の中断を余儀なくされている国内の科学コミュニティには、不安が広がっています。

 

米政府は、20181221日に行われたホワイトハウスと議会との交渉が不調に終わったことから、無期限で政府機関を一部閉鎖することを発表しました。国内の科学コミュニティには不安が広がっています。


閉鎖の原因となったのは、政府機関の予算案を巡る議会とドナルド・トランプ大統領との対立です。メキシコ国境沿いに壁を建設するという大統領選で掲げた公約を実現するために50億ドルの予算を要求したトランプ大統領ですが、議会はこれを認めなかったため、一部の政府機関が閉鎖されることになりました。


この閉鎖により、米国内の複数の科学機関の活動も中断を余儀なくされます。これらの機関では職員に休暇を与えざるを得ず、進行中の研究プロジェクトも休止に追い込まれることになります。また、機関や所属研究者たちの将来も危機に陥る可能性があります。閉鎖の影響を受ける主要機関の中には、米航空宇宙局(NASA)や国立科学財団(NSF)が含まれています。


米科学振興協会(AAAS)のラッシュ・ホルト(Rush HoltCEOは、「政府機関が一部でも閉鎖されれば、研究プロジェクトは中断・遅延する可能性があります。新たな研究への懸念が増し、研究者による機関データやインフラへのアクセスも制限されてしまいます」と指摘しています。研究者たちはこのほかにも、閉鎖によって米国の研究開発の競争力が低下することを懸念しています。


疾病予防管理センター(CDC)や国立衛生研究所(NIH)などの一部機関では、前年度の予算案によって予算が確保されているため、今回の閉鎖の煽りを受けることはなく、今後も活動が継続される見込みです。


今回の閉鎖がいつまで続くかは不明ですが、20191月からは民主党が下院の過半数を占めることになります。科学界の中には、トランプ大統領が予算交渉の面で一層強い抵抗を受けることで状況がさらに複雑化することを懸念する声もある一方で、これが転機となることに期待を寄せる声もあります。


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参考資料:

ResearchGateによる無許可掲載

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Question Description: 

Open access journal で発表した論文が、全く知らない間にResearch Gateにuploadされていたのを見つけました。 削除を求めようとしましたが、連絡先なども見当たらず、大変困惑しております。 どのように対応したらよいのかご教示頂ければ幸いです。

回答

まずは、誰があなたの論文をResearchGateにアップロードしたのかを確認する必要があります。通常は、ResearchGateにアップロードすると、それを行なった人の名前が表示されます。

次に、こちらのページhttps://www.researchgate.net/contactを開き、"Didn't find what you were looking for in the help center(ヘルプセンターに該当するものがなかった)?"の下のドロップダウンメニューから、適切なカテゴリーを選びましょう。今回の場合は、"legal issues and data protection(法的問題とデータ保護)"を選びます。クリックすると、ResearchGateに問い合わせのメールを送る画面が表示されますので、このメールフォームで、許可なくあなたの論文をアップロードした人の名前を報告し、論文を直ちに削除するよう要請しましょう。メールが準備できたら、"send(送る)"ボタンで送信します。これであなたのメッセージがResearchGateに届きます。

論文が取り下げられるまで、ときどきチェックするようにしましょう。

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Reject and encourage resubmissionの意味を教えてください.

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Question Description: 

英語にした論文を投稿しましたが,以下のような判定となりました.かなり厳しい指摘ですがas a 'pilot study'なら,まだ可能性はあるとの事でしょうか?

Academic Editor Notes

Thank your for your submission of this very timely report about a serious public health topic within the context of youth sports, concussion and head injuries. The reviewers have provided substantive feedback regarding the strengths and weaknesses of the current manuscript. The manuscript is not suitable for publication in its current form. However, the authors are encouraged to consider the following steps that may yield the manuscript publishable:

1) The current study is under powered (insufficient sample size) to conduct appropriate comparative measures of association (e.g., Rate Ratios, 95% CI, etc.). Therefore framing this study as a 'pilot study' of the point prevalence of concussion among Japanese high school athletes might be a better alternative

2) the potential for recall bias and selection bias needs to be addressed by the investigators

3) Consideration of potentially increasing the sample size to enhance power as well as the representativeness of your sample, i.e., generalizability, needs to be made

4) A prospective study design be considered going forward with your questions regarding the true incidence of sports-related concussion among Japanese youth - Is there a sports-related injury registry among high school and youth in Japan?

回答

Reject and encourage resubmission(リジェクトの上、再投稿を勧告)」という判定およびこの通知文は、前向きな内容と捉えられます。通知文では、編集者の提案が取り入れられれば、ジャーナルはあなたの原稿に再度チャンスを与える用意があるという旨が明確に述べられています。編集者のコメントによると、あなたの原稿は、予備研究という位置付けにはふさわしくないようです。また、サンプルサイズを増やすよう努力する必要があり、さらに、実験における想起バイアスと選択バイアスの問題に対処する必要があります。編集者のコメントをよく読んで、修正原稿に可能な限り反映するようにしましょう。その上で、編集者の各コメントへの回答を添え、新規の投稿としてもう一度投稿しましょう。


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中国、「プランS」の導入でオープンアクセスを支持

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中国、「プランS」の導入でオープンアクセスを支持

中国の主要助成団体や図書館関係者が「プランS」の取り組みを支持し、参加の意思を表明しました。プランSとは、欧州の助成団体グループが提唱しているもので、公的資金による研究成果物を、出版段階で無料公開することを2020年までに義務付けるという構想です。

中国の主要助成団体や図書館関係者が「プランS」の取り組みを支持し、参加の意思を表明しました。プランSとは、欧州の助成団体グループが提唱しているもので、公的資金による研究成果物を、出版段階で無料公開することを2020年までに義務付けるという構想です。


Nature誌の記事によると、国立科学図書館(NSL)、国立科学技術図書館(NSTL)、国立科学財団をはじめとする中国の主要機関が、プランSの支持を表明しています。これを受け、プランSの立案者であるロバート・ジャン・スミッツ(Robert-Jan Smits)氏は、「中国がこのプランへの参加を検討していることは知っていましたが、これほど早く明確な支持表明があったことは大きな驚きです」と述べています。


中国科学技術部(北京)でNSTL戦略立案委員長を務めるシャオリン・チャン(Xiaolin Zhang)氏は、中国がプランSを導入し次第、公的資金による研究成果物をすべて無料公開することを承認しており、「中国がオープンアクセスに関心がないという考えは誤解です」と述べています。中国のほとんどの論文が有料であることは事実ですが、チャン氏はこの状況が今後変わっていくことを確信しており、国内の研究者の科学論文へのアクセシビリティを向上させるために、中国が出版社と「read and publish」契約を結ぶ可能性があるとも指摘しています。


オープンアクセスに対する中国のこのような姿勢は、多くの出版社が予期していなかったものです。シュプリンガー・ネイチャーのダニエル・ローパーズ(Daniel RopersCEOは、「中国はオープンアクセスを、欧米ほど喫緊の課題とは捉えていないという印象がありました。しかし、そうでないのであれば、我々は喜んで協力します」と述べています。


オープンアクセスへの認識は中国でも高まりつつあります。この動きを支持する中国人研究者たちがいる一方で、プランSによって起こり得る出版界の変化を懸念する声もあります。公的資金を受けた研究が、有料ジャーナルや一部のハイブリッドジャーナルで出版されないことになれば、研究者たちはジャーナル選びに慎重にならざるを得ないからです。


中国は、プランSに沿った新たな方針をいつまでに実施するのか、そしてそれをどこまで厳格に順守するのかについては、今のところ具体的な情報を公表していません。


関連記事:

採択されやすいジャーナルについて

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Question Description: 

はじめまして。 2020年博士課程への進学を考えています。 その際に研究実績が必要で、査読付き論文を提出しなければならす、論文をジャーナルに投稿しようと思っております。 現在、修士課程におりますが、このような場合、どのようなジャーナルの投稿を目指すべきなのでしょうか。研究分野は経営学です。 ご教示願います。

回答

原稿を吟味せずにジャーナルを推薦することは難しいので、ジャーナルの選び方に関する一般的なアドバイスをご紹介します。

採択されやすいという視点でジャーナルを選ぶことは、避けたほうがいいでしょう。たいていの場合、アクセプトを保証するジャーナルは信用がありません。論文の運命はジャーナル選びにかかっていると言っても過言ではないので、選択は慎重に行いましょう。

自分の論文に合ったジャーナルかどうかを評価する際は、何よりもまず、それがまっとうなジャーナルであるかどうかを確認しましょう。品質が標準以下のジャーナルで出版することや、ハゲタカジャーナルの餌食になることを避けるために、目当てのジャーナルが分野で知られているものかどうかを確認しましょう。よく知られているものであれば、それは、そのジャーナルが出版における一般的な基準を十分に満たしているということです。

また、ジャーナルのウェブサイトも念入りにチェックしましょう。もしも、ごく短期間での出版が保証されていたり、連絡先が明記されていなかったり、出版費用の詳細が記載されていなかったりするようなら、投稿を決める前に、さらによく調べて情報を集める必要があります。

そのほかに確認すべきポイントは、ジャーナルの対象範囲があなたの研究テーマと合っているか、オンライン出版が行われているか、オープンアクセス誌か購読誌か、といった点です。これらをしっかり把握すれば、ジャーナルの読者や発信先を知る助けにもなり、十分な情報に基づいて判断を下せるでしょう。 

以下の記事も参考にしてください:

Resubmissionの対応について

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Question Description: 

つい先日、投稿していたジャーナルから査読結果がきました。 結果は、リジェクトでしたが、下記のような文面で再投稿を推奨されました。文面を読む限り、再投稿をした方が良い結果に繋がりそうな気がします。 別の雑誌に投稿しようとも考えていましたが、もう一度修正をして再度チャレンジをしたほうがよろしいでしょうか。 Based on this evaluation, the Editorial Board has determined that your submission has merit but is not suitable for publication in its present form in Archives. The reviewers and I found your paper intriguing but were concerned that a number of significant issues need to be resolved before acceptance for publication could again be considered. Some appear relatively minor. While others may be more difficult, you may be able to address them. If you choose to do so, note that the revised paper should be submitted as a new submission (under the Article Type "Resubmission (w/ previous manuscript #)") in the manner outlined later in this letter. If you choose to resubmit the manuscript, please submit as a new submission. Under the article type, in step 1 of the submission process, choose "Resubmission (w/ previous manuscript #)". In your cover letter, please 1) reference this manuscript ID number (2) include AN ITEMIZED LIST of the revisions in a Detailed Response to Reviewers for Resubmission. (3) Use continuous line numbering in the text and reference the revisions made by line number in the cover letter. (4) Highlight changes made in one copy of the manuscript text. Submit another copy with all changes accepted and not highlighted. Please add "marked copy" to the file name of the highlighted version and "clean copy" to the file name of the clean version. Submit both clean and highlighted copies under the category titled Manuscript without author identifiers. Both should remain blinded for the review process. お手数おかけしますが、ご助言のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

回答

おっしゃるとおり、編集者のメッセージからは、あなたの論文が査読コメントに従って十分に修正されれば、ジャーナルはその出版に関心を抱いているように読み取れます。査読者からの指摘に対応できそうだと感じるのであれば、別のジャーナルに新たに投稿するよりは、このジャーナルに再投稿する方を断然お勧めします。すでに一度査読を受けているので、このジャーナルでの判定プロセスは短くなるはずです。今回は、論文を修正して再投稿するのがベターではないでしょうか。ただし、その際は、編集者からのメッセージにある指示をすべて守るよう注意しましょう。

関連記事:

文献レビューを含むケースレポートは、原著論文として出版できますか?

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Question Description: 

文献レビューが含まれているケースレポート(症例報告)を、原著論文として出版することはできますか?

回答

ケースレポートは実際の事例を扱うもので、心理学や医学分野のものがほとんどです。ケースレポートでは特定の患者の症例を示し、患者への治療法とその効果を報告します。当然ながら、報告する事例は、その分野に重要な知見を提示するものでなければなりません。

一方、原著論文はより複合的なものであり、仮説、研究の背景、方法、結果とその解釈、研究の意義などが含まれます。ケースレポートのように単独の事例を報告するのではなく、設定した仮説を立証するためのエビデンスを提示するなど、より広範なアプローチが必要です。したがって、ケースレポートと原著論文はまったく別種の論文と言えるので、文献レビューが含まれるケースレポートを原著論文とみなすことはできません。

ケースレポートを1つの論文として発表した後で、そのレポートから得られた知見をさらに発展させ、原著論文としてまとめることを考えてみましょう。


関連記事:


Project DEALを支持するマックス・プランク学術振興協会が、エルゼビアとの購読契約を廃止

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Project DEALを支持するマックス・プランク学術振興協会が、エルゼビアとの購読契約を廃止

世界最大の研究組織の1つであるマックス・プランク学術振興協会(ドイツ)は、オープンアクセス支持の表明として、エルゼビアとの購読契約を更新しないことを発表しました。契約は20181231日で満了を迎え、その後、協会員はエルゼビア誌へのアクセスを失うことになります。

世界最大の研究組織の1つであるマックス・プランク学術振興協会(ドイツ)は、オープンアクセス支持の表明として、エルゼビアとの購読契約を更新しないことを発表しました。契約は20181231日で満了を迎え、その後、協会員はエルゼビア誌へのアクセスを失うことになります。


ドイツは、高額な購読料やオープンアクセス化を巡るエルゼビアとの交渉最前線に立って進めてきました。マックス・プランク学術振興協会は、Alliance of Science Organizationsが中心になって大手出版社との新たなライセンス契約の締結を目指して活動するコンソーシアム、「Project DEAL」の一員です。エルゼビアの編集者や編集委員を務めていた同協会の一部の研究者は、エルゼビアとのコンソーシアムの交渉が膠着状態だった2017年に、その職を辞しています


マックス・プランク学術振興協会のマーティン・ストラットマン(Martin Stratmann)会長は、協会の最新の動きについて、「DEALの目指すものは、マックス・プランク学術振興協会が強く支持するOA2020イニシアティブの目的と完全に一致しています」と説明しています。OA2020イニシアティブは、オープンアクセスへの移行促進のために結成された国際同盟です。


マックス・プランク学術振興協会の研究者は、毎年12千本の論文を出版しており、うち1500本はエルゼビア誌で出版されています。この点について、マックス・プランク図書館のラルフ・シマー(Ralf Schimmer)副館長は、「エルゼビア誌の研究論文の生産者および消費者として、私たちには研究者のニーズを満たすシステムを求める権利があります」と述べています。


協会の今回の判断を受け、出版界の巨人であるエルゼビア社(オランダ)は、「遺憾の意」を表明しています。同社グローバルコミュニケーション部門のトム・レーラー(Tom Reller)副社長は、協会の目的が「Project DEALと組むことで、ドイツのオープンアクセス化を大きく進めること」であると述べています。しかしエルゼビアは、コンソーシアムが求めているエルゼビア論文へのアクセスの無料化には合意できないことを明言しており、この交渉は依然として平行線をたどることになります。Project DEALはすでに、シュプリンガー・ネイチャーや王立化学会をはじめとする大手出版社とのオープンアクセス契約の締結に成功しています。


一方のマックス・プランク図書館は、201911日からエルゼビア誌へのアクセスが失われることへの代替措置をすでに講じていると表明しています。


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ジャーナルのインパクトファクターは、出版年度のものと最新年度のもの、どちらを使うべきですか?

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Question Description: 

ジャーナルのインパクトファクター(IF)が毎年更新されるということは、自分の論文が掲載されたジャーナルのIFも毎年変わるということになりますが、研究業績にはどの年のIFを書けばよいのでしょうか?2013年に出版した論文には、2013年のIFを書くべきですか?あるいは、現在のIFを書くべきですか?

 

回答

学術誌のIFは、ジャーナルが所定の期間に出版した論文の、その年々の平均被引用数を反映させた指標です。したがって、あなたの論文のIFが毎年変わるわけではなく、出版したジャーナルのIFが毎年変わるということです。論文の重要性と直接的に結びつくのは、論文自体の被引用数であって、ジャーナルのIFではありません。なぜなら、ジャーナルのIFにはその他の論文の被引用数も含まれているためです。

論文の実質的な価値を示すためには、論文がほかの研究者から引用された回数を示す必要があるでしょう。ジャーナルのIFを示す場合は、出版年のものではなく、現在のIFを示さなければなりません。ただし、「以前のIFは〇〇だったが、現在のIFは〇〇である」といった説明を添えてもよいでしょう。


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動画: 論文における「reference」と「citation」の違いを理解しよう

学位論文を徹底的に校正するための8つの秘訣

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学位論文を徹底的に校正するための8つの秘訣

学位論文が書き上がったら、可能な限りミスをなくし、ベストな状態に仕上げるために、校正作業を行う必要があります。学位論文のミスをなくすための、簡単に実践できるヒントやコツを紹介します。これらは、ジャーナル論文の校正にも応用できます。

長期にわたって心血を注いできた学位論文がいよいよ完成に近付き、ゴールが見えてきたら、少々浮き足立ってしまうかもしれません。しかし、論文は可能な限りミスをなくし、ベストな状態に仕上げなければなりません。つまり、校正をしなければならないということです。この記事では、学位論文のミスをなくすための、簡単に実践できるヒントやコツを紹介します。これらは、ジャーナル論文の校正にも応用できます。それではさっそく見ていきましょう!


【校正の準備】

まずは土台作りが重要です。ここでは、論文の校正に着手する前にしておくべきことを説明します。


・校正のための時間を確保する:多くの学生が犯しがちなミスは、校正のための時間を十分に確保していないことです。締め切り前夜まで作業を先延ばしにしてしまう学生が多いですが、これでは校正のための時間が足りません。遅くとも締め切りの1週間前には執筆を終え、焦ることなく落ち着いて校正できる時間を確保しましょう。


・自分の弱みを把握する:校正を始める前に、自分の苦手な部分を把握しておくことも重要です。たとえば、スペリングや文法、句読点などが苦手なら、校正ではこれらを重点的にチェックしましょう。また、眠いときや疲れているときに書いた箇所にはミスがある可能性が高いので、念入りに見直しましょう。


・大きな問題を探す:論文全体に目を通して、未完成の段落や欠落したセクションがないかなど、より大きなミスを探しましょう。冗長な表現や重複があったら、削除しましょう。より読みやすい論文になるように構成を整え、フォーマットを修正しましょう。


【校正のヒントとコツ】

準備が整ったら、以下のアドバイスを参考にしながら徹底的な校正作業を進めましょう。


1. 書式のチェック

論文の書式は、内容と同じくらい重要です。段落分けが適切かどうか、見出しや小見出しの場所が適切かどうかを確認しましょう。また、フォントや参考文献が正しく表示されていることも確認しましょう。


2. 一貫性のチェック

使用する単語や語調が一貫していることを確認しましょう。数か月にわたって論文を書いていると、スタイルに揺れが生じる場合があります。全体を通して、大文字小文字の区別、参考文献の記述、ハイフンの使用などに一貫性があることを確認してください。


3. ガイドやツールを利用する

校正のための実践的アドバイスや校正時の注意事項などを紹介するブログやウェブサイトがたくさんあります。それらを活用して、よくあるミスや頻度の低いミスに関する情報を得ましょう。私がよく参考にしているリソースはこちらです:
Via Writing(文法ミスの発見に便利な文法ガイド)
Let's Go And LearnSimple Grad(編集作業に役立つ編集関連のガイド)
Cite It In(リライトを行うときに役立つライティングツール)
State Of Writing(ライティング関連の情報を集めたリソース集)
Editage Insights(研究者・編集者・ジャーナルのための、学術出版に関するリソース)


4. 休みながら少しずつ進める

一気に進めると集中力の低下や飽きを招くので、お勧めできません。集中力が低下していると、見つけにくい小さなミスを見逃してしまう可能性が高くなります。


そこで、論文をいくつかのパートに分けて1つずつ着実に校正していくなどして、集中力を保つ工夫をしましょう。こうすると校正に数日を要することになりますが、ミスをそのまま残してしまうことに比べればましです。論文を長時間見続けていると、集中力が低下して効率が落ちるので、必要に応じて休憩しながら進めましょう。


5. Microsoft Wordの機能を活用する

Microsoft Wordは、あらゆる文書の作成に使用されているもっとも一般的なツールです。このツールは、文章の作成だけでなく、校正においても優れものです。言語を「English US」または「English UK」に設定して、「スペルチェックと文章校正」でミスをあぶり出しましょう。また、検索機能を使えば、見つけたミスと同じものがないかを確認することができます。


6. 音読する

音読することで、分かりにくい文章や、修正が必要な箇所を把握しやすくなります。声に出して読むことで、文法やスペリングなどの小さなミスから、文章の構成に関する大きな問題まで、幅広く気づけるようになるのです。これは、論文のミスを減らすための、シンプルで効果的な方法と言えます。


7. 論文を印刷して校正する

校正は、昔ながらの方法で行うのがお勧めです。論文を印刷して、すべてのミスに印を付けてください。その際、ミスの種類によって色分けしてみましょう。画面よりも紙面の方が、はるかにミスを見つけやすいものです。色分けすることで、校正のプロセスをより楽しく効率良く進めることができるでしょう。


8. 剽窃チェックを行う

これは校正とは無関係ですが、他者の論文を無意識に盗用していないかどうかを確認することは重要な作業です。剽窃は非倫理的行為であり、見つかった場合はペナルティを受けます。オンラインの剽窃チェッカーを利用して、先行論文との一致がないことを確認しましょう。一致率は、5%未満を目安にしましょう。


以上のアドバイスを校正作業に活かして、ミスのない完璧な論文を提出しましょう!


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注:本記事の内容は著者の見解であり、必ずしもエディテージ・インサイトが保証するものではありません。

二度目のreviseについて

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Question Description: 

一度目のrevise時に指摘がなかった項目について、二度目のreviseで(明らかに一度目で指摘可能な)複数箇所の訂正を求められました。これについて、editorに抗議することは可能でしょうか?

回答

多くの場合、修正論文は同じ査読者に送られます。しかしながら、別の査読者に割り当てられるケースもあります。これにはいくつかの理由があります。最初の査読者が依頼を断った場合や、編集者が論文の評価に新たな視点を求めた場合などです。今回のケースにこのような事情があったのなら、最初の査読者が注目しなかった点に、新しい査読者が注目したのかもしれません。これについて査読者に苦情を述べることや、新たな修正提案に抗議することは適切ではないでしょう。査読コメントの目的は、原稿をより良くし、出版に値するレベルに仕上げることです。アクセプトを目指すなら、査読コメントを可能な限り取り入れるのがベストでしょう。


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