バイオサイエンス企業の「謝礼金」戦略に学術界はうんざり
「我が社の製品をあなたの論文に引用してください。ジャーナルのインパクトファクターに応じて100ドル以上をお支払いします!」2015年の夏、このような件名のEメールを多くの学術関係者が受け取りました。医学研究者に対するCyagen社のあけすけな申し出に、学術関係者は心底驚き、科学界は激しく反応しました。「我が社の製品をあなたの論文に引用してください。ジャーナルのインパクトファクターに応じて100ドル以...
View Article学術誌「The Annals of Thoracic Surgery」:概要と投稿時のアドバイス
学術誌"The Annals of Thoracic Surgery "の概要と投稿時のアドバイスをご紹介します。The Annals of Thoracic Surgeryは、胸部外科医が経験を共有し、患者のケアを改善することを目的として、胸部及び心臓血管外科に関する原著論文の掲載に重点を置いています。目的と研究領域The Annals of Thoracic...
View Article助成金申請書を確認することの重要性
ある研究者が政府系研究助成機関に研究の助成金を申請しましたが、却下されました。却下の理由は申請内容とは全く関係がなく、却下を通知するレターには「規定を順守していないため」と書かれていました。事例:...
View Articleデータの秘匿は研究不正とみなすべきか?
科学の進歩の根幹には、知識の共有があります。学術論文の共有は、オープンアクセス運動を通じて広がりをみせましたが、データの共有となると話は別です。データの共有は科学の理想であるという点にはほとんどの研究者が合意するものの、データを公開することに関しては、研究者たちは概して懐疑的になるようです。私が少しだけ先を見ることができたとしたら、それは巨人の肩の上に立っていたからです。-アイザック・ニュートン科学...
View Article若手研究者のためのPerspective、Commentary、Opinion論文の書き方指南
Perspective、opinion、commentaryとは、あるテーマに関する既存の研究に対して個人的意見や新しい見解を述べる学術論文です。独自の研究である必要はないため、原著論文よりも執筆に時間がかかりませんが、著者はそのテーマについて深い造詣を持っている必要があります。Perspective、opinion、commentaryとは、あるテーマに関する既存の研究に対して個人的意見や新しい見...
View Article2015年ORCIDアンケート調査の結果
ORCIDは、研究機関、分野、地理的所在を問わず、研究者に固有の識別子をつける取り組みを行う非営利団体です。ORCIDに対する研究者の意識や見方を理解するため、2015年8~9月にかけてアンケートが実施されました。その主な結果をご紹介します。エディテージ・インサイトの読者の皆様は、ORCIDをよくご存知かもしれません。ORCID (Open Research and Contributor...
View Articleウェブサイトと投稿システムに矛盾がある:ケーススタディ
アブストラクトの字数制限が、ウェブサイトでは200ワード、オンライン投稿システムでは300ワードとなっているケースがありました。このように指示に矛盾がある場合、どうすればよいのでしょうか。事例:ある著者がエディテージに論文の編集校正を依頼し、投稿支援サービスの助けを借りてジャーナルを選んで投稿しました。エディテージはあるジャーナルを選び、著者の論文がジャーナルの投稿規定を全て満たしていることを確認し...
View Articleジャーナルの投稿規定は倫理問題に十分配慮しているか?
学術出版界における不正行為が増加していますが、倫理的な出版を行うためには、著者、ジャーナル、編集者に等しく責任があります。中国の生物医学系ジャーナルの投稿規定に関する調査をもとに、倫理問題における投稿規定の重要性を考えます。以下の記事は、学術誌Learned Publishing 7月号に掲載された下記論文の内容を要約したものです。Yang, WU; Zou, Qiang, The ethical...
View Article総額2190万ドルのブレイクスルー賞を授与
2015年11月8日、科学分野で最高額の賞金を誇るブレイクスルー賞が、物理学・生命科学・数学分野の研究者に授与されました。今回は、科学や数学をテーマとして最も優れたビデオを製作した学生に贈られる「ブレイクスルー・ジュニアチャレンジ」というカテゴリーが新設されました。2015年11月8日、科学分野で最高額の賞金を誇るブレイクスルー賞が、物理学・生命科学・数学分野の研究者に授与されました。今回は、科学や...
View Article私の論文は出版基準を満たしていますか?
Question Description: 私は社会学に興味がある高校生です。今論文を書いているのですが、それが価値あるものかどうか、またジャーナルの出版基準に達しているかどうか知りたいです。Answer:...
View Article話題のヒューマン・ブレイン・プロジェクト、3年分の研究費を確保
欧州のヒューマン・ブレイン・プロジェクト(HBP)は、EUの執行機関である欧州委員会から今後3年間の研究資金を確保しました。HBPは10カ年計画の壮大な学際的研究プロジェクトで、人間の脳について解明し、脳疾患を診断・治療するための新たな方法を開発することを目的としています。議論を巻き起こしているヒューマン・ブレイン・プロジェクト(Human Brain Project,...
View Articleアジアなど研究の新興地域から投稿する際にグローバルな視点が必要な理由
Why journal submissions from emerging research hubs like Asia need to present a global perspectiveニューヨーク医科大学精神医学・行動科学部( Psychiatry & Behavioral Sciences )の臨床教授でInternational Journal of Clinical...
View Article査読に対する意識調査:テイラー&フランシス社の報告書概要
査読に対する著者・査読者・編集者の見方は、多くの点で大きく異なります。そこで、テイラー&フランシス社は、2015年にこれまでで最大規模の国際調査を行い、レポートを発表しました。ほとんどの研究者は、研究の質を評価する手段としての査読は信頼できるものだと考えています。しかし、査読におけるバイアスや、出版後査読といった新しい査読方式の有効性などに対し、折に触れて懸念が持たれることも事実です。査読に対する著...
View Articleチリの研究者、科学への支援を渋る政府に対し抗議行動
チリの研究者らが、同国の科学政策を不服として街頭抗議行動を起こし、科学に対する政府の支援が不足していると批判する公開書簡を提出しました。チリは天文学への貢献で知られており、宇宙科学分野における1論文あたりの被引用数ではランキングの上位を占めています。チリの研究者らが、同国の科学政策を不服として街頭抗議行動を起こし、科学に対する政府の支援が不足していると批判する公開書簡を提出しました。チリは天文学への...
View Article不明瞭な論文出版費用が原因で同時投稿に:ケーススタディ
APCが予想外に高かったので、支払いをせず、論文の撤回もしないまま、他のジャーナルに論文を投稿する―これは二重投稿に当たります。著者は、出版倫理を知らないがために、しばしば意図せず非倫理的行為を行なってしまうことがあります。論文を執筆して投稿する前に、学術出版とその規範や倫理について自ら学ぶ必要があるでしょう。事例:...
View Article受理された未出版の論文を引用しても問題ない?
Question Description: 受理はされたけれども出版はこれから、という論文を引用してもよいのでしょうか?Answer:...
View Article他雑誌へのトランスファーについて
Question Description: ある雑誌でリジェクトとなりました。他の新しいオープンアクセスの雑誌に、トランスファーしたいのならここのURLにクリックしてくださいとかいてあり、クリックしましたら、いきなりその他雑誌にトランスファーされており、驚いてしまいました。トランスファーされた雑誌のステイタスには、Transferred...
View Articleイランにおける科学―制裁前と制裁後
昨年7月、イランと欧米などが、核問題に関する歴史的合意に達しました。世界中の研究者や政策立案者の間では、イランの科学研究の未来が話題となっています。イランはかつて科学の中心地であり、数学、哲学、天文学に多大な貢献をしていました。2015年7月、イランと欧米など5ヶ国が「包括的共同行動計画(Joint Comprehensive Plan of...
View Article「科学者に、一般の人々との関係性を見直すよう促す必要があります」
独立系ジャーナリストでブロガーのリチャード・ポインダー氏は、オープンアクセス(OA)に大きな関心を大きな抱いています。また、学術界のさまざまな領域におけるOAの受け入れ方にも興味を持っており、自身のブログOpen and Shut?で学術出版界の発展をつづっています。最も人気のある読み物は、3回連続のインタビュー記事です。ブログに基づいたOA書籍The Basement...
View Article査読の依頼を断る理由
査読は学術出版に不可欠です。査読者が大きな敬意を払われているのは、疑わしい研究をふるい落とすことによって、出版される論文の質の向上に貢献しているからです。しかし、査読依頼を引き受けることに消極的になる人が増え、ジャーナル編集者が査読を依頼することはますます困難になっています。査読は学術出版に不可欠です。査読者が大きな敬意を払われているのは、疑わしい研究をふるい落とすことによって、出版される論文の質の...
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